六四。鶴

 鶴には三分以内にやらなければならないことがあった。鳥に戻る前に恩返しのわけを伝えるのだ。「私は助けていただいた鶴です。もう行かねばなりません」老夫婦は顔を見合わせた。「金の卵を産む鶏を、わしらが逃がすと何故思った?」鶴の労役は生かさず殺さず続いた。

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