二二。疾走

 メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。飛鳥ひちょうの如く襲いかかり、「呆れた王だ。生かして置けぬ」と猛然一撃。腕にうなりをつけて王の頬を殴った。やんぬるかな。メロスには政治がわからぬ。

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