十一。美食*

 おかしいとは思ったんだよ。希望項目が「グルメ」ってさ。けどデブな俺は「食事がその人を作る」なんて言われて舞い上がった。何度目かのデートの後、目覚めたのは見知らぬ厨房だ。吊るされた俺の下で、彼女はスマホ片手に鍋を準備してる。人食いの化け物が、マッチングアプリ使ってんじゃねえよ。

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