第39話

「ちょっとしたいたずらのつもりですか?」


「私じゃないです!」


「零くんの彼女だと知っていたからですか?」


「知らない!全然聞いてない!なんにも」


「そうですか」


「そもそも!その、ピーチって子が相手なんて、嘘ですよね?」


そもそも接点ない。


「本人に聞いてないんですか?」


「謝らないからですよ!」


「そんなことはどうでもいいので、記入できないなら裁判しますか?」


ひっ、なんか、怖い…


私が離婚なんて知ったら、零さんの親はどう思うかな。零がすみませんかな。うちはどうだっていいけど。社長の圧に負けて結局書かされた。


「ありがとうございます。零くんにはこちらから渡しておきます」


「…なんで、零さんの話を信じるんですか?」


「嘘がつけないのを知っているからですよ」


「私、1人になってしまいますよ?」


「今まで別居してたんですよね?」


「…それは」


「同じですよね?では、仕事に戻って下さい」


追い出された。そして、今日はピーチが来ている。私のこと、零さんの嫁って、最初から…知ってた?


「ねぇ、ピーチさん」


「なんですか?」


みんないるけどいい。撮影前だけど、いい。


「あなた、うちの旦那を誘惑したんですよね?最低」


「誘惑?」


ざわざわしてきた。


「その水着で!」


「ほのかちゃん、撮影するんだけど!どいて」


邪魔が入った。実さんには話してないの?友達じゃないわけ?

しょうがないから、自分の仕事に戻る。まだざわざわしてたけど。

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