第28話

それから、電話が入ってたり、メールがあったり。文面は、離婚届をお渡ししたいのですが、いつ会えますか?


なんなのこれ。いったいどこにいるわけ?


わけわかんないから。無視する。

家はチェーンをして勝手に入れないようにした。だから、零さんは3ヶ月しないとうちには入れない。これで必ず泣きついてくる。


「ねぇー、あのピンクの髪の子、ほのかちゃん知ってた?」


「え…いやぁ、ジャムさんも知らないですよね?」


撮影待ちに、ジャムさんと話す。


「なんか芸能人らしいよー?そんな人気者なの?」


「さ、さぁ?…萩原はぎわらさん詳しそうですよ?」


新人のモデルさんが入ってきたのだが、テレビとか出てる人らしい。テレビ見ないしわからない。だが、ほとんどの人は知っている。


「撮影してるから話せなーい。ジャムも水着自信あるんだよー?なんで社長は言ってくれなかったのかな」


「なんか、禁止してたらしいですよね?」


「わかんなーい。パパに話したらいーのかなー」


「さぁ…」


パパというのは、カメラマンの美空翼みそらつばさ。この人がジャムさんのパパだと知る人はあまりいない。


「ほのかちゃんも昔は水着とか着てたんでしょ?」


「あ、そうです。でもー、子供帝王切開だったんで、お腹出せないですねー」


「そっか。残念」


いや、腹出てて水着とか無理だわ〜

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る