前のエピソード――第23話　能登へ

　アレックスと凜が仮設住宅に到着すると、そこには簡素な仮設住宅が並んでいます。その小さな空間には、様々な人々が一堂に集まり、暮らしを共にしています。

　住民たちは、自分たちの持ち物を少ないながらも整理し、共有スペースを利用して助け合いながら生活しています。仮設住宅の中には、簡易な台所やトイレ、シャワーが設置されており、それぞれが手伝い合って清潔さを保っています。

　食事は、地域のボランティアや支援団体から提供される非常食や寄付された食材を使って調理されます。時には、仮設住宅の住民たちが集まって、一緒に食事を作ることもあります。その時には笑顔や会話が絶えません。

　子供たちは、仮設住宅の中で友達と一緒に遊んだり、学校の宿題を手伝い合ったりして、少しでも普段の生活に近い感覚を取り戻そうとしています。

　一方で、夜になると仮設住宅の中には不安や恐怖の空気が漂います。地震のトラウマや未来への不安が、人々の心を苦しめます。しかし、そんな時には仲間たちが励まし合い、支え合って立ち向かいます。

　仮設住宅では、地域のコミュニティがより強固に結束し、困難に立ち向かう強さと絆を育んでいきます。アレックスと凜も、この場所で住民たちと共に過ごし、助け合いながら日々を生きることになります。

　仮設住宅に妖怪が出現したという情報が広まると、人々の不安と恐怖が一気に広がります。被災者たちはすでに十分な苦難を経験しており、これ以上の恐怖や不安は彼らにとって耐え難いものとなります。

　アレックスと凜は、妖怪の出現に対処するために行動を開始します。彼らは被災地の人々を守るために立ち上がり、妖怪に立ち向かう決意を固めます。

　仮設住宅に到着すると、そこには不気味な雰囲気が漂っています。妖怪の姿は見えませんが、その存在が近くに迫っていることを感じ取ります。

　アレックスと凜は、地元の住民と協力して、仮設住宅周辺を探索し、妖怪の正体を突き止めるために行動します。彼らは慎重に、しかし決然とした態度で、妖怪との対峙に備えます。

　そして、深夜、仮設住宅の近くで妖怪の姿が現れます。その姿は恐ろしく、人々の心を恐怖で震え上がらせます。しかし、アレックスと凜は決して立ち止まりません。彼らは勇気を振り絞り、妖怪との戦いに挑みます。

　激しい戦闘の中、アレックスと凜は絶え間ない努力と勇気を示し、妖怪との壮絶な戦いを繰り広げます。彼らは地元の人々と手を取り合い、結束して妖怪に立ち向かいます。

　最終的に、アレックスと凜の努力が実り、妖怪は打ち倒されます。仮設住宅に住む人々は、安心して眠ることができるようになり、彼らの安全が保たれます。

　アレックスと凜の勇気と決断は、地域の人々に勇気と希望を与え、共に困難を乗り越える力を示しました。彼らの存在は、被災地に新たな希望と勇気をもたらしたのでした。

　🦅鷹山トシキは最近は子供に対しても敬語を使っていた。介護施設にたまに財津大輔（ざいつだいすけ）って老人の孫が遊びに来る。ふくよかな男の子だ。はしゃぎ回ってたので、「これこれいけませんよ」と叱りつけた。

「うるせーんだよチビ」

「なんだとてめぇ！」

　迂闊だった。叫んだ直後、ゾンビが現れガキを食った。中田警護員が姿を消し、ウージーサブマシンガンが現れた。バババババ！ゾンビを撃ち殺した。

　敬語モードだとメチャクチャ弱いようだ。

　凜は妖怪図鑑をリュックから出した。

「さっきの妖怪、これに似てない？」

　黒手（くろで）、慶長年間のこと。笠松甚五兵衛という村人の家で、甚五兵衛の妻が便所に入ると何者かに尻を撫でられるという怪異が起きた。甚五兵衛は狐狸の仕業かと思い、刀を用意して便所に入ると、毛むくじゃらの手が出てきたため、これを刀で切り落とした。

　そして数日後、妖怪が3人組の僧に化けて手を取り返しに来た。僧の正体を知らない甚五兵衛は、自宅に怪しい相があるといわれ、件の手を見せた。手を受け取った僧の1人が「これは人家の便所に住み着く黒手という物だ」と言った。さらに別の僧が手を受け取り「これはお前に斬られた我が手だ!」と叫び、九尺（約2.7メートル）もの丈のある正体を現し、手を奪って3人もろとも消え去った。

　後日、甚五兵衛が夕方遅くに家への帰り道を歩いていたところ、突然空から衾のようなものが降りてきて彼を包み込み、6～7尺（約1.8～2.1メートル）も宙に持ち上げ、下に落とした。気づいたときには甚五兵衛の懐から、黒手を斬った刀が奪われていたという。

「そうだな」