【第三章】さらに最深部へ、さらに危険区域へと…

 まだ頭が痛かった、天井から地面に落ちるといっても少なからず3mの高さはあった。小説やアニメ、漫画では落下したが無傷なのが定番の内容だろ?そんなことを思いながら力の入らない体を何とか起こそうとし、今自分がいる場所を確認しようとした。

「あ!ようやく目が覚めたぞ!」

 うん?誰だ?聞きなれない声のせいで一瞬頭がフリーズした。だけど体はさっき下した命令通り起き上がろうとしていた

「あ、あんまり動かないでくださいよ。結構な量が出血していましたし」

 言われてみれば確かになんかが少ない気がした、まさか血液だったとはな。

「仁~!生きていてよかった~!」

 向こう側からなじみのある声が聞こえたが…

「だ、誰だっけ?君?」

 頭を打ってしまったせいか誰なのか思い出せなかった。

「ガーン!僕だよ、WOLF社屈指の弾幕狂信者トリガーハッピーって言ったらわかるよね」

 そう言われて記憶を探った。弾幕狂信者トリガーハッピーって言ったら…

「WOLF社屈指の弾幕狂信者トリガーハッピー弾幕狂信者トリガーハッピー…あっ!ハスか!」

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 ここで解説、「ハス」本名クリス・ハス、年齢29歳の僕とは同期のWOLF社社員。メディックではあるが同時にLMGを扱う援護兵でもある異色の兵士だ。彼とはかれこれ3年の付き合いがありWOLF社に勧誘してくれたのも彼だ。ちなみに結婚しており8歳の娘がいる。めちゃくちゃ童顔だが少し化粧すればかっこいい若者にもなれるのである。欠点があるとすれば…いろんな意味でバカである

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「ていうかなんでお前はここにいるんだ?本社で新入社員の育成担当していたのじゃないのか?」

「実はね、ちょうどシベリア研究所のほうから医療設備の点検をしてほしいとのオファーがきてね。なにせ会社一の医療担当だもん」

 そう言うと彼はどや顔をしてきた、シンプルにうざい。

「自慢話はいいから、ここで何があったか教えてくれないか?情報収集の一環として」

「結構長くなるけど…それでもいいか?」

 そう前置きをしてから彼は連絡の取れなかった3日間の出来事を話していった。

 前置きのまま結構長かった、ここでは幾分か要約させてもらうとしよう(じゃないと僕の手が死んでしまうからね)

 一番最初の出来事、つまりこの一連の悲劇は一つの爆発から始まったという。爆心地であるAウイングで時が止まったかのような異常現象が発生したとのことだった。何かが外側から引っ張られてきて時空が止まったかと思うと強い衝撃波が全面に向かって放出されたとのことだ。そこからの出来事は一瞬にして起こった。施設全体の電源シャットダウン、爆心地に現れた覆面の武装集団、サイト内に現れた数々のモンスターたち。ハスが話したことは通常だと考えられないことだった。起こってはいけないことが現在起こっている、この瞬間僕の中のミッションが切り替わった。もう現地調査の必要はない、何としてでもここから出て奴らを止めなければ。今はまだサイト内にいるがいつかは外にも進出するかもしれない。そんなこんなでハスとは別れることになった。ちなみに彼ら曰く前哨基地内は空間異常を被害を偶然受けない場所にあるためめっちゃ安全だとのこと。これで安心してもっと深淵に足を踏み入れる。まずは第一目標Eウイング/エリア12の「武器庫」に向かわないと、多分多くの敵部隊がいるかもな。

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 カチャカチャ…カチャ…ガチャガチャガチャガチャ  ドンッ!(怒)

開かない。ドアが開かない、エリア12(Eウイング)に向かうドアが開かなくなっている。どうにかしてドアを開けないと…感覚だと鍵は開いていた、多分向こう側から何かでふさいでいるだろう。ったく、無理やり開けねぇとな。今あるのは簡易スレッジハンマーだけだが、これでドアの向こう側のものをもろとも吹っ飛ばせるのかな?

ガンッ!

意味はなかった。扉はびくともせず、代わりに僕の肩外れかけた。痛みに耐えながらどうにかドアを開ける方法を見出そうとした。

「これ…丁番をぶっ壊せばいけるんじゃね?」

向こう側に開かないのであればこちら側に無理やり引っ張り込むだけ。早速ハンマーで丁番に向かって勢いよくスイングしてみた。

ガシャン!キーン…

まずは1個目を破壊、それから二つ目も破壊…とその時、

ウィーン…ズガガガガッ!

ドアの向こう側から銃声が聞こえた。瞬く間に扉を貫通してきて一発被弾した。隠れそうなものはない、とりあえず曲がり角に身を隠さないと

「っく!もしやあの武装集団か⁉絶対そうだろ!」

僕の声は届いていた、奴らはドアを蹴飛ばして入ってきた。ハスの言っていた通り覆面だ。

「そこは否定してくれよ!なんで嫌なものばかり出てくるんだよ!」

文句を言っている場合はない、すかさず一番先頭の敵戦闘員の耳に9㎜をぶち込んだ。二人目以降が血の噴水を出している遺体に目をとられているそのすきに射撃ポジションをすぐに切り替え同じく耳元にぶち込m…

「くそが!バイザー付けてやがる、直では無理だ」

そんな時に自分ん体から出ている血が目についた。血は可燃性、これを銃弾に塗り付ければ焼夷弾ができる。そうと決まればすぐにチャンバーから銃弾を取り出し血を表面に塗り元に戻した。

タァァァンン!

すかさず敵の太ももに撃ち込んだ。今だ!そう念じたとき敵は太ももから炎を出し最終的には悶絶し真っ黒の焼死体となった。そんな時思わず発した言葉が

「う~ん…装備品は回収できるのか?」

やはりどこからどこまで欲がある人だった()


チラッ

「人影はないっと。これでこれで装備品を回収できるぞ」

やはり武器庫は最強だ、ちっちゃくてかわいいキアッパライノのリボルバーもあれば超強力なバックショットを撃てるM870レミントンもあった。これには目が

星のように輝いていた…気がする!(気がするのかよ)

「ふぇ~、URGもあるのかよ。CQBカスタムができるじゃん!」

気づけば銃のカスタムや装備品の準備で1~2時間は過ぎた気がした。そろそろこんなもんだろう、それでは武器庫より中の研究施設に向かうか。それではさらに最深部へ、さらに危険区域へと…



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