笹島 快 さま
拝啓
挨拶は割愛します。こんにちは。
まさか、お返事くれるとは思っていなかったので、びっくりしました。なので、もう一通書いてみます。
君が生意気なことをいうので、ネットでわざわざ調べながら手紙を書いています。先日も書きましたが、君はもう少し、私を敬うべきです。バカにし過ぎ。
先日のお手紙は、最近秋道くんも連絡を取っていないと言っていたので、君が生きているかどうか心配になって、メールを送ったのに返事がなく、最終手段の一歩手前として送ったものです。最終手段は言わずもがな突撃です。
しかしながら、うら若き女人である私が、わざわざ君の家に出向いてご近所さんに見られでもしたら、万が一、快くんの恋人を傷つけてしまうのではないかと思って手紙にしました。
ちなみに、もう童貞は卒業したのですか?
在学中に何度も私がもらってあげると言ったのに、誰か知らない馬の骨にあげてしまいましたか?
それはそれで構いません。お赤飯を炊いて送りつけてあげます。
さて、冗談はこのくらいにして、本題です。最近、私はお付き合いしている人からプロポーズされました。キャンユーセレブレイト的なやつです。人妻になってからでは、いよいよ君と酒を飲むというささやかな私の願望は叶わなくなってしまいます。快くんが酒を飲まないのは知っています。
それでも、お酒を飲みに行きましょう、私と。
酒好きの私が酒の場に君を誘うのと、酒好きの私があえてお昼ご飯に誘うのでは、後者の方が外聞が悪いのです。ここまで言って、この手紙の意味がわからないなら、君は一生童貞のままです。よくて素人童貞です。
暴言が過ぎました。筆が乗るなんて、無縁な言葉を思い付くくらいには勢いに任せて書きました。でも消しません。書き直しもしません。
馬鹿な女の戯言です。それでも、お返事待っています。
かしこ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます