失恋コレスポンデンス

石衣くもん

笹島 快くんへ

 突然のお手紙、ご容赦ください。


 快くんが、どうしても私のメールにお返事くれないので、手をかえて、紙にしてみました。どうしてお返事をくれないのですか、という恨み言はほどほどにするつもりですが、溢れ止まらなかった場合はご容赦ください。


 手紙はメールと違って一発勝負です。修正テープは不恰好だし、もう一枚書き直すほど、私には財力も時間もありません。君にばかり構っていられないのです。


 はてさて、私が大学を卒業してから早二、三年経ちました。初めの頃はみんな、頻繁に会っていたのに、段々と回数も減ってきて寂しく思っています。

 ただし君は違いました。元々、私からの誘いには頑なに乗らない快くん。三回目からは最早欠席の返事も寄越さなくなりましたね。


 非常に遺憾です。せめてお返事は返してください。さみしいではありませんか。


 そしてあわよくば、飲み会にも参加してください。知っているのですよ、君が秋道くんの誘いにはホイホイ乗っていることを。いくら同級生だからといって、贔屓のし過ぎはよくありません。たまには先輩である私のことも敬ってください。 


 それでは今回はこのあたりで。


                    かしこ

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