ボクモンガチ対戦 まもりvs珠姫vsダーク女④ #まもりの悲願が叶うとき



「いけぇ!!!

 あたしの拳を聞けぇぇぇッッッ!!!!」




【メンヘラロップのブチギレ!】




「嘘でしょ…………ハイハイクンが一撃……?」

「半減なのにめちゃめちゃ火力あるじゃん〜」

「でも、普通のダメージ計算なら余裕で受かってるはず……」

「晴れ天候でダメージ上昇してるからね。けどかなりの高乱数だよぉ。流石愛璃さんだっ!」

「あたしの怒りの炎は、全てを貫くんだッ!!」



超火力特化型ボクモン、あたしことメンヘラロップ。

ときこ♪のお陰でダメージ入るし、うらら☆のお陰で晴れ天候。

他の誰にも、止められはしないよ!!



コメント

・つっよ

・何この化物

・ダメージ半減の耐久特化準伝説を一撃ですか……?

・本当に物理火力と素早さしか考えてないボクモンだから

・相手を殺すことに全てをかけた化物

・ブチギレ(炎タイプ)の威力120×タイプ一致1.5倍×特性で2倍×晴れ天候1.5倍。そしてこれがA種族値200超えから飛んでくる。ただのチート

・即死の呪文かよ

・特性って何?

・『破滅願望』。物理攻撃力2倍、ただしデメリットあり

・うーん、化物かな?

・ブチギレってどんな技?

・炎タイプ版逆鱗だと思ってくれれば




「あたしの次の生贄は…………誰だ?」



「愛璃さん、それ完全に悪役のセリフだよぉ?」

「あたしは大切な人間のためなら悪魔になれる。その覚悟で生きてる」

「ボクモン対戦中じゃなくてちゃんと面と向かって言ったほうがモテると思うけどなぁ〜」

「しょうがないわね…………。バンドロス!頼むわ!!」

「出たね、見るからに遊んでそうなベース弾いてるおじさん……。コイツごときで、あたしを止められるとお思いで?」

「ほら、威嚇で攻撃力が一段階落ちるわよ?」

「はん、知るか。小賢しい真似をしおって」

「セリフだけ抜き出すとただの大魔王だよぉ?」

「あたしの拳は、絶対に止まらない!」




【メンヘラロップのブチギレ!

 急所に当たった!

 バンドロスは倒れた!】




「しゃァ!!チ◯コぶん殴ってやったぜ!!!」




コメント

・草

・止まんねぇなコイツ

・チ◯コって大声で叫ぶのは如何なものかと……

・近所迷惑って知ってる?

・夜中に喘いでる女が当然そんなの気にするはずがなく

・急所は威嚇の効果無視するからなぁ……

・殺気が高すぎる

・もうこいつやだ




おっさんのチ◯コをぶん殴り、残るはあと1匹。

これ、ワンチャン勝てるのでは……?



「まもり」

「何?愛璃ちゃん」

「これ、ワンチャンあたしが勝てるよね」

「万に一つの可能性だけどね」

「もしあたしが勝ったらさ。まもり……」

「うん」




「…………一緒に、気持ちよくなろ?」


 


『!?』



コメント

・ファッ!?

・唐突な性行為への誘い

・意味分からん

・百合ですか?百合ですね!

・コイツ酔ってんのか?

・やっぱり愛璃って中身相当百合願望あるだろ

・世界線間違えたらクッソ濃厚な百合してそう

・残念、この世界だとガチ恋に失敗する悲しきモンスターだ

・【鈴堂うらら】まもり、死ね

・草

・同期ですよね……?

・【富士宮時子】どうぞご勝手に。どうせわたしほどうまくはできないでしょうけど

・草

・何を誇ってるんだ

・【響木恵美】鼻血出た

・ティッシュ詰めろ

・おいカプ厨、妄想やめろ

・君、まともに配信したことないよね。なんでそんなにキャラ濃いの……?

・【黒野るる】公開えっち配信希望 ¥50000

・露出狂は帰れ

・リアルR18ASMRした変態と一緒にしないでください

・金の使い所間違ってますよ

・【板野結華】なんかモヤモヤする

・あっ…………

・板野、それは恋だね

・お前!お前もハーレムに入るんか!

・適性は!適性はあると思ってたんですよ!

・実はクッソエロそうですもんね!

・この場合エロ川とまもりのどっちに嫉妬してるんですかね……

・【速報】うらら、台パン配信開始

・意味わかんねぇよ……

・カオスが極まる




「愛璃ちゃん、公開告白するのはいいんだけどさ。いきなりえっちなお誘いするのは……」




「え?ただ一緒にマッサージに行くだけだよ?

 ストレスと疲労の解消狙ってさ。

 快眠したいでしょ?」




「…………ぁぁ…………うん、アリガト……」

「なんで愛璃さんここぞの場面で鈍感主人公みたいなこと言うんですかぁ……」



コメント

・は?

・帰るわ

・はー、つっかえ

・これだから……

・優しさは時に仇となるよ

・折角のチャンス逃しおって……




「え?えっちなのが良かったの?」

「べつに……そんなわけじゃ……ないけど……」



「じゃあ代わりに、あたしが一晩抱きしめながら寝てあげるよ。

 これなら、寂しくないでしょ?」



「〜〜〜〜〜!!!!」

「おっほー。これが天然ジゴロかぁ」



コメント

・よくやった!!

・神

・同衾のお誘い!!

・配信中にするな

・妄想が捗る

・流石ハーレム王

・他人のために尽くすとモテるってはっきりわかんだね

・【悲報】うらら、嫉妬の末マジで机を破壊

・全員の好感度調節しなきゃダメなの地獄では?

・あまとう4人にるる姉に板野に姫ーズまで囲う必要が出てきた

・大丈夫だ。江戸川愛璃は愛◯恋太郎さんになれる器がある

・これ以上人間やめるんかコイツ……?



「だから、あたしが勝たせてもらう!!

 喰らえ、ブチギレ攻撃!!」







「あーごめんね愛璃ちゃん。

 それはそれとして守るわ」






【メンヘラロップの攻撃は防がれた!

 メンヘラロップは疲れ果てて混乱した!】




「……………やっべ」

「ボクモン廃人には常識よ」

「そりゃそうだよぉ。流石にこんな化物、対策しなきゃ駄目でしょ〜」

「メンヘラロップの特性、混乱するとヤバいのは知ってるのよね……?」

「…………ハイ」



【メンヘラロップは混乱している!

 わけもわからず、自分を攻撃した!】



「視聴者さんに授業だよぉ。

 メンヘラロップの特性『破滅願望』は、混乱すると自分を強制的に瀕死にさせるんだぁ。

 だから、対戦環境だとあんまり使われないんだよねぇ〜」



【メンヘラロップは倒れた!

 この勝負、まもりの勝ち!】



「あたしが…………自殺した…………」

「やめてめちゃめちゃ物騒」

「愛璃さんが言うと縁起でもないからやめてねぇ………」



コメント

・草

・オチが付いた

・見事な伏線回収

・残念でしたね……

・いい女だったよ……

・暴れただけでは?

・それがエロ川愛璃クオリティなので………













そしてその後も対戦は続いたのだが……





【ヤバイリューの神速!

 メンヘラロップは倒れた!】



「なんで!?なんであたし死んだの!?」

「防御捨ててるんだから先制技でイチコロじゃん〜!ざぁこ♡」

「クッソ!!死ね!!」



先制技でたまちゃんにわからされ、あろうことか3タテを喰らったり。






【ネトリグマの捨て身タックル!

 ウルセーリアは倒れた!

 攻撃の反動でネトリグマは倒れた!】



「しゃあ〜!ボクの勝ち〜!!」

「はぁ!?反動で落ちてるんだから実質引き分けよ!!」

「フー!!ボクの勝ち!なんで負けたか、明日まで考えといてください☆」

「呪う呪う呪う呪う……」



意外と良い勝負になったけど罵詈雑言の嵐のせいでネタ切り抜きが爆増しそうな、たまちゃんとまもりのバトルがあったり。





そんなことをしていると、もう配信は終わりに近づいていた。



「ほんとに、お疲れさまだったね」

「マジで疲れたわ……」

「楽しかったよぉー!!」

「まぁ、たまちゃんが楽しそうなら何よりかな」

「…………ええ、そうね」

「せんせぇツンデレだ!すきぃ!!」



コメント

・てぇてぇ

・ほんとにカロリー高い配信だったよ……

・ツッコミ疲れた

・スパチャの金も底をつきたわ………



「みんな、応援ありがとうね」



そう言って一度言葉を切り、あたしはまもりにアイコンタクトを送る。

「あたしは大会に出ることにする」と、最後のひと押しを送って。

そして、たまちゃんもおそらく同じ目線を送った。





「ここで、お知らせがあります」



まもりは、改まった口調で言葉を紡ぐ。



「私、昔から出たかったボクモンの大会があるんです。

 でも、3人で1チームだから、友達がいない私は出れるはず無くて。ずっと諦めてました。

 けど、今の私には大切な仲間がいます。



 ―――だから今日、出場を宣言します!!」





【ボクモン王将戦!

 まもり珠姫愛璃のチームで参戦します!!】





…………そう。今日のコラボの最終目的はコレ。



元々は、まもりが出てみたいって1ヶ月くらい前に話題に出したのが始まり。

それを聞いた瞬間に、あたしはほぼ触ったことのないボクモンを本気で勉強し、配信も行っていた。


全ては、まもりの役に立つため。


そして、たまちゃんのデビューにより、すべてのピースは揃った。

あとは今日最後に意思の確認を行って、参戦決定…………という算段だ。

まぁ、あたしも、たぶんたまちゃんも、話を聞いた段階で参戦は決めてたと思うけどね。



コメント

・おお!!

・アツい

・最強チームだ

・泣きそう

・これマジで勝てるのでは?

・俺らの夢を乗せてくれ




「大会まで割と近いですが、がんばります!!

 皆様、応援よろしくお願いします!!」




画面に向かって頭を下げるまもり。







けれどその横顔は、今までで一番。



楽しそうで、嬉しそうで、輝いて見えた。


















―――――

閑話を挟んで、次回はラジオ回です。

また、ボクモンは本章のメインとなるため、少し多めに描くことになります。

ご了承くださいませ。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る