ボクモンガチ対戦 まもりvs珠姫vsダーク女① #カプ厨の皆さん、伏線回収のお時間です
次の月曜、時刻は20時。
ついにまもり&たまちゃん&あたしのボクモンコラボ配信が始まった……のだが。
「せんせぇ!!ボクと一緒にいちゃいちゃしようよぉ〜♡……反応鈍いね、童貞さんなのかなぁ♡」
「くっつくなたま!!私は愛璃ちゃん以外といちゃつくつもりは無いのよ!」
「え〜、つれないなぁ。にゃ〜☆」
「距離感がおかしいわよ!!」
「あ、ありのままに今起こったことを話すぜ。ボクモンコラボで初顔合わせをしたら、まもりとたまちゃんが元々リアルで知り合いだと判明し、たまちゃんがまもりにとんでもない速さで懐いた模様。
お陰であたしは蚊帳の外、3Pにおける挿れられてない側の感情です」
「愛璃ちゃん!!説明してないでこの猫をどうにかして!!」
「ボクは猫じゃないぞ!ドラゴンだゾ!」
「うーん、かわいいなこの子。ご褒美にお姉さんからプレゼントをあげよう」
「なになに〜?」
「ちゃらちゃちゃっちゃら〜!0.01ミリのゴム〜」
「わぁい!ボクは愛璃ちゃんも大好きだよぉ♡」
「げへへ」
「なんで鞄にストックがあるのよ…………」
コメント
・は?
・裏で何があったんですかね……
・配信開始からテンションがおかしい
・たまちゃん……やっぱり猫のタマだったのね……
・デビュー3日でキャラ変し過ぎじゃないですか?
・メスガキ⇒ヤンキー⇒猫
・属性詰め込んどきゃいいって訳じゃねぇぞ
・おめでとうまもり、またお前に友達できたぞ
・このてぇてぇに最悪の例えをするな
・なんでこれを性行為で例えるんですかね……
・可愛さ感じる前に事態収拾しろ
・鞄からコンドーム取り出すな
・なんでセ◯クスする前提で外出してんだよ
・後輩女子にゴムを渡す先輩、はっきり言ってあたまおかしい
・下品な笑いをするな。不審者に見える
・もともと不審者では?
そこに配信されていたのは、ストリームを開始したにも関わらず、メスガキ猫ににゃーにゃーされているお医者様。
どうしてこうなったかは、約1時間前に遡る……。
◇
「ほんとに大丈夫かしら……」
4期生、姫ーズのデビュー後すぐの月曜。
コラボ会場たるまもりの家で珠姫ちゃんの到着を待っていると、まもりがため息をついていた。
「大丈夫だよ。根は優しそうだし」
「でもね。私が配信する度にスナイプしてくるのよ?しかもボクモンに限らず他のゲームでも。見るからにアンチとしか思えないじゃない」
頭を抱える目の前のゲーマー。
アンチかダル絡みかと思っていた人間が同僚になったことに、不安を覚えているようだ。
しかしながらあたしは、別の可能性に思い至っていた。
「それ、愛情の裏返しじゃない?」
「え……?」
「ほら、好きだからこそ認知してもらいたい、思考回路に入れてもらいたいって思ってるんじゃないかな」
「そんなことあるの?」
「あるよ。好きだからインスタでイジるDMしてそこからデートに持ち込むとか、授業のミスをネタにしてお詫びってことでデートに持ち込むとか、よくある話でしょ?」
「…………愛璃ちゃん、同性に嫌われがちって言ってたわよね」
「まあうん」
「さっきの例え、もしかして実体験?」
「…………そうですけどナニカ」
「…………そりゃそんな悪い女ムーブしてたら嫌われるわよ……」
「…………アーアー、あたし何もキコエナーイ」
非常に悲しくなってきた。どうしよう泣きそうだ。助けてラフメイカー……
でも、可能性として照れ隠しや認知希望の可能性はある。
「ほら、たまちゃん昔から実況者だけど、割とニッチな人気だったじゃん。登録者数じゃかなり上位なまもりのファンだった説はあるよ」
「そんなことあるのかしら……?」
「ちなみに、まもりっていつからボクモンで有名だったの?」
「ボクモンXYの時代だから……10年くらい前かしら」
「すごいねアンタ。そりゃファン説も濃厚になるって」
「構築記事とか書いてたしね。オフの大会でも何回か優勝してるし」
「パねぇ。なんであたしなんかがあんたと一緒に居るのか分からん」
「それは私の台詞よ。なんで日比谷野音で満員ライブした人間と一緒にいるのかしら……」
ぴんぽーん!
そんな事を話していると、家のチャイムが鳴った。
「おっ、来たねぇ……」
そう言って、あたしはドアを開ける。
「こんちゃーす!辰海珠姫、本名は
その先に居たのは、パーカーに緩いパンツルック、ミルクティーベージュのウルフカットが特徴の女の子。
身長は……162cmのあたしに比べて小さい。155cmくらいといった印象の、あどけなさが残る素敵な女の子だ。あと八重歯かわいい。
「いらっしゃい、江戸川愛璃で
「愛璃さん!黒髪キャラなのにめっちゃギャルだ〜、意味わかんねぇや!あはは」
「何がおかしいの?ぶん殴るよ?」
「すっげぇ!ほんものだほんもの!ふふふ」
「あー……まあいいや、まもりも居るから上がって」
「はぁい」
どうみても舐め腐っててシメたくなるクソガキ……もといたまちゃんを誘導し、リビングへ誘導する。
「まもり、たまちゃん連れてきたよ」
そう言って始まる、二人の初対面。
頼むから平穏にやってね、特にまもり!
……なんて思いつつ二人の目が合うと―――
ふたりとも、直前に比べて顔色が明らかに変化した。
具体的に言うと。
まもりが呆れを含む苦笑いに、たまちゃんがキラッキラしたガチ笑顔に。
「せんせぇ!!舞せんせぇ!!嘘でしょ舞せんせいがまもりちゃんだったの!?声も似てるしボクモンもやってるしもしかしたらって思ってたけど、奇跡みたいじゃん!!ボク嬉しい!!!!」
「あー……龍子さん、病院で会った以来ね……。担当医としては元気そうで何よりだわ…………」
……?どういうことだってばよ?
「まもり、元々知り合いだったの?」
「知り合いというか…………担当医」
「…………あぁ」
「具体的には、循環器内科を回ってた時に入院して担当した子」
「……なるほど」
「
「煽ってたんじゃないよ!!舞せんせいと仲良くしてただけじゃんっ!!」
「と、患者様が申しておりますが」
「陰キャの先生にああいうヤンキー式コミュニケーションは分かりません」
「冷たいなぁ〜……ちぇっ、代わりに抱きついてやろ〜」
「ぎゃあ!私には!私には心に決めた愛璃ちゃんがいるのに!!」
朗報。
まもり、なつき度MAXの猫ボクモンをゲットする…………。
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