双翼のアリア

藍瀬なゆる

序章

 自分に不思議な力が備わっていることに気付いたのは、幼少期の頃であった。

 まだ、何の力であるかも理解していなかった頃、今は亡き両親は私の力に気付き、忠告してくれた。


『アリア、決して貴方が持っている力のことを他人に教えてはダメよ』

『なんでだめなのっ?』

『それはな、お前のことを悪い大人が利用しようとしてくるからだよ。お父さんとお母さんは、アリアが悪い大人達に利用されて欲しくないんだ。だから、これから、何があっても、絶対にその力のことは教えてはいけないよ』


 未来を予知出来る力。

 この力が後に、私と国の未来を揺るがす大きな出来事を希望に変えていく為に使うことになることなど、この時の私はまだ思いもしなかった。

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