終章

 ラピティーア国へと帰ってきたラティア達は、玉座の間で病が治ったことを現国王であり父親でもあるアルドア、そしてラティアを見送ってくれた兄王子二人に告げる。


「陛下、ロイス王子、カイル王子殿下。宝石の病が治ったことをご報告致します。私が留守の間、私の代わりに業務を行っていただいたロイス王子とカイル王子殿下には感謝しています。ありがとうございます」


 ラティアがそうお礼と報告を声に乗せて伝えれば、目の前にいる国王陛下、兄王子二人は安堵した顔をする。


「おお、治ったのか。よかった……」

「ラティア、お前にここまで丁寧にお礼を言われたのは久しぶりだなぁ〜!! お兄ちゃん達、何か嬉しぞぉ〜!」

「おい、ロイス。お前のその言い方、何か癪に触るから辞めてくれないか」

「なんだよぉ〜! カイル、お前、本当、冷たいなぁ」


 城から離れていた期間が長かったせいか、ラティアは見慣れていた兄王子二人の会話さえも、とても心地良く新鮮に感じられた。



 玉座の間を後にしたラティアは、廊下の通路を歩いていたが、ふと立ち止まり、窓越しに見える晴れた空を見上げて、優しい笑みを浮かべた。

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