第6話 三人の騎士達
甲板にて心地良い風に当たりながら、己の護衛騎士の一人でもあるハレクと会話をしていたラティアは、その後、甲板を後にして、予約していた客室に向かう為、歩みを進めていた。
船内の中は、人が多く、湿気もあってか蒸し暑さが感じられる。
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予約していた部屋に着いたラティアとハレクは互いに持っていた荷物を置いて、己の護衛騎士であるベルロットとバロン。他国の研究所で、宝石の病の研究をしている研究者であるディークが居るであろう船内の中の食堂へと向かう為、部屋を後にした。
「そろそろ殿下が食堂に来る頃ですね」
バロンは食堂の壁に掛かっている時計を見ながら、そう呟く。ラティアは騎士のハレクと共に甲板で少し風に当たった後、部屋に荷物を置いてから、食堂へ行くと言っていた。
今の時刻は12時少し過ぎである。12時ちょっと過ぎるかもしれないと言っていたラティアの言葉通りにラティアは食堂はとやって来た。
ラティアが食堂に着くとバロン、ベルロット、ディークの三人がラティアとハレクの姿を見て、手招きし呼び寄せる。
「殿下、ラパニア国へ着いてからのルートが決まりました」
ラティアがバロン達三人の元まで歩み寄ると、窓際に席に座っていたバロンがラティアに報告する。
「わかったわ。話して貰ってもいいかしら?」
「はい。まずラパニア国に着いてから、ラパニア国とフィリアント国を繋ぐ国境付近の橋に向かいます。ですが、この国境を繋ぐ橋の付近は治安がとても悪いとされています。このルートで行くのなら、危険も少なからず伴いますが、大丈夫でしょうか?」
バロンは正直、ラパニア国とフィリアント国を繋ぐ国境付近の橋を渡ってフィリアント国にに入る事に対して、あまり乗り気ではなかった。しかし、先程の三人での話し合いでディークの理由を聞いて、ベルロットも自分も納得し決まったことだ。今更、決まったことを取り消す事は出来ない。
「貴方達が私のことを守ってくれると信じているから、大丈夫よ」
ベルロット、バロン、ハレクの三人はラティアが幼き頃からの付き合いである。長年、ラティアの護衛として側に居た三人に対してのラティアの信頼度は数字では表せない程の物だ。
そして、ベルロット、バロン、ハレクの3人は自身の命に変えても、ラティアのことを守らなければならない。それが彼らの使命であるのだから。
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