【第一章登場人物紹介など】

キャラクター紹介、用語などの解説、おまけのIFルート集です。

真面目な説明というよりはこういう事情でこんなキャラになりました、みたいなメタ的解説や軽いノリが混じっています。

これを読まないと今後の物語の把握に問題がある、というような内容ではないため、飛ばしていただいても全く問題はありません。



●キャラクター紹介


──メインキャラ


・シュニー

 主人公。我儘なダメ貴族。

 本作はそんな彼が頑張って変わろうとする姿や面倒な性格だったり事情を抱えていたりする領民たちとどう向き合うか、そしてどこまでいっても若干残るぽんこつっぷりを楽しんでいただく小説です。

 一連の騒動を経て少しは成長したが、領主としてはまだまだこれから。

 きっとこれからも成功したりやらかしたりを繰り返していくのでしょう。

 為政者としての才能の片鱗はちょっとずつ見えてきているものの、戦闘方面に関してはあまり適性がないと思われる。

 あらすじの伝記が帝国に出回っているのは物語開始から6年後くらいの想定です。



・少女

 メインヒロイン。

 全体的に白い色合いに赤の瞳という、冬のユキウサギを思わせる印象の少女。無表情の不思議ちゃん。

 外見と性格以外に語れることは現状ほとんどない。名前もまだしばらくは出てこない。


 シュニーとふたりきりの場面でしか登場しないという都合上、メインヒロインなのに一章では出番が少ないという苦難を抱えていた。

 次章からは多少改善される予定です。

 シュニーの成長と同じくらい彼女との関係性とこの子一体なんなの? というのが作品全体として大きな部分なので、もしよければあれこれ予想していただけると嬉しいです。



・ラズワルド

 ステラの側近にして、フィンブルの町の衛士長。

 荒々しくて粗暴、というシュニーの真逆を行くように見えて、その実シュニーとは境遇性格様々な面で似た者同士。

 第一章の騒動以降は悪友としてなんだかんだつるみ続ける事となる。

 ボードゲームはシュニーより遥かに強い。


 シュニーの伝記が出回っている頃にはスノールト領全体の防備を統括する立場に就いている。



・ステラ

 フィンブルの町の姫。

 最初の方でラズワルドのことを呼び捨てにしていたのは姫としての威厳を保つため、というラズワルドからの提案。

 でもすぐにくん付けしちゃうので気安い仲だとみんな知っていた。

 第一章はラズワルドの方に主なスポットが当たっていたため、この子は今後ちらほらと内面とか見せられたいいな……と思っています。


 その献身性と真面目さにより、大人から知識を学べる環境が整った後はぐんぐんと成長していき、シュニーの伝記が出回っている頃にはスノールト領の宰相として名を馳せている。



・セバス

 シュニーは頑なにセバスと呼んでいるが実際はセルバンテス。ちなみに名前じゃなくて姓の方。

 シュニーの幼い頃からの世話役で、将来シュニーが家督を継げば公爵家の執事長、というバラ色の人生が約束されていた。

 からの流刑地じみた辺境への左遷。

 スノールト領に来た頃には世話役なんだから付いてくるのは当然だと思っていたシュニーだったが、今となってはなんで自分は刺されていないのかと時々不安になっている。


 そして本作のあらすじで紹介されている伝記の著者である。

 途中までシュニーに無断で執筆していたなかなかの危険人物。

 平民階級出身。



──サブキャラ


・ラルバ

 フィンブルの町の衛士、ラズワルドが見込んだ他の子供たちよりちょっと強い少年。

 趣味は編み物。幼い頃、仕事で忙しい父親に構ってもらう口実として教えてもらっていたら想像以上に奥深くてハマった。

 今後も衛士として勤めるか本格的に服飾の方面に進むか、進路に迷っている。


 最初はここまで出番が多くなる予定はなかったのだが、プロットを作っていく間に「フィンブルの町の一般的な領民、という目線でシュニーとよく話すキャラがいた方がいいのでは」となり準レギュラーくらいになりました。


・ガウル

 フィンブルの町を襲撃し、その後実質的な領民として受け入れられることになった人狼たちの頭。

 一章で戦闘シーンが描かれた登場人物の中では第二位の強さを誇っている。


 かつてはスノールト領と隣り合っていた国の一都市で人狼たちのコミュニティを築いて暮らしていた。

 当時は受け入れられていたのだが、“冬”の影響が強まり人々に心の余裕がなくなるにつれて差別されるようになる。

 その果てに大規模な氷魔の襲撃を受け都市は壊滅、仲間たちを連れて身を落ち着けられる場所を探すため旅に出た。

 いくつかの都市や村を頼ったが、いずれも長続きはしなかった。

 大飯喰らいで身内の結束が特に固いだろう同種族のグループ、という彼らは受け入れる側として色々と都合が悪かったのである。

 次第に尽きていく手持ちの物資、遠からず全滅する未来しか見えない焦燥。

 その果てに、何人かの先輩からリーダーを引き次いだ彼は略奪を働いてでも皆を食わせるという覚悟を決めた。


 そんな彼も今ではフィンブルの町の解体屋兼大工見習い。

 人生はわからないものである。

 口実というものがあるので、シュニーとは町で顔を合わせるとわざとらしく初めましての挨拶を交わす。



・ルーカス(服飾屋の親父)

 ヒロインではない。

 記念すべき、シュニー以外の最初の登場人物。ラルバの父。

 初登場から気のいいおっちゃんであったが、先代領主の暴政の末に妻を失ったためああ見えて領地への失望度は高かった。

 シュニーが領主と知って最初は失望半分同情半分(こんな無知な子どもが流刑地めいた土地の領主なんて家督争いとかの後ろ暗い事情の犠牲になったのでは、と予想していた)だった。


 今ではその評価も大分変わりつつある。

 領主として精一杯励もうという姿勢がある。もう二度と戻らないだろうと諦めていた息子との仲を取り持ってくれた。

 そんなシュニーへの好感度は高く、ランキングにするとたぶん最上位も狙えるのではないでしょうか。

 ヒロインではない。


・チコ

 いたいけな領民の女の子。

 なぜフィンブルの町に行っていなかったのかについては一応の設定がありますが本編で明かされるかは未定です。



・ニル婆

 本名はニルヴァ。

 今や殆ど人が住んでいない街外れに居を構える老婆、という怪しい雰囲気しかない人。

 実際に大魔女と呼ばれる魔術の専門家であり、魔術を込めた道具をあれこれ開発して皆の生活に役立てている。

 若者が大好き。

 変化を見るのは楽しいしいびっても楽しい。性格が悪いですね。

 シュニーが最初に領主として頑張ろうと決めるきっかけとなった、地味に重要な人物。



・マルシナ

 猪突猛進騎士見習い少女。

 遍歴の騎士見習いとして旅をしていたら、いつの間にかスノールト領に辿り付いていた。

 騎士道物語のような正義の騎士に憧れていて、正式な騎士として叙任されるのが夢。この人だという主君に仕えて忠誠を貫くのも夢。

 ねじれた角が左側頭部から生えており、種族は少なくとも人間ではない。



・ナルナ

 魔法使いの弟子。シュニーと同い年くらいの少女。

 弱気な態度に反して初手暗殺というコミュニケーションを取った問題児中の問題児。

 大魔女と呼ばれる魔術師に教わっているだけあって知識は豊富で、今はシュニーの先生役を務めている。



・ミーシャ

 守銭奴の聖女。

 聖女とは聖神教において教皇に次ぐ二番目の地位であり、定員は四人しかいない。

 その内ひとりが何故こんな地にいるのか、疑問を抱く領民は多い。

 基本的にはゆるゆるふわふわとした優しい女性であるが、時々信仰に中指を立てるような事を言い出す。

 フィンブルの町に治療に訪れたのは、善心が四分の一、シュニーから約束された報酬が美味しかったのが四分の一。



・アロイス

 帝都から遠い領地を監視するのが仕事の役人、査問官を務める不真面目おじさん。

 不敵でハードボイルドな食わせ者の雰囲気を醸し出そうとするが、だいたいルナシアに内情をバラされて台無しになる。

 シュニーに対しては親戚のおじさん的な親しみやすい態度を取っているが、現状領地のために何かをするつもりはない。



・ルナシア

 アロイスに付き従っている処刑人の少女。

 大鎌に黒一色の衣装と、死神を思わせる風貌をしている。

 感情表現が薄く、表情もあまり変わらない。

 アロイス相手だと空気も読まない。


 今後メイン章がありそうな女性キャラの名前に“ナ”の文字が多いのは、帝国臣民の特徴……というわけでは特になく、作者の癖で被ってしまっただけです。

 ふとキャラ名を見返していた時割と動揺しました。



───用語・設定集

 作中に登場した用語いくつかの簡単な設定説明です。

 ここに書いてある内容は本編で登場済、今後説明がある、設定があるだけで大して重要じゃないの三択なので読み飛ばしても問題ありません。

 作者の備忘録も兼ねているので世界設定のまとめ、おまけとしてお楽しみいただけますと幸いです。




・“冬”

 世界を蝕む災厄。

 雪歴、という暦はこの現象が初めて観測された年を元年としている。


 気温が零下まで低下する、雪が降るといったように四季の一つとしての冬とは似通った部分が多いが明確に区別される現象である。

 領域の概念を持ち、時間経過や氷魔の侵攻と共にそれが拡大していく。

 完全にその領域に取り込まれてしまった地域は二度と季節が変わらなくなり、氷魔の跋扈する魔境と化す。

 その領域外にも気候のバランスが崩れるなどの影響が及び、スノールト領では平均して一年の5/6が冬、残りの1/6が寒さが辛うじて和らぐ間期、という状態になっている。


 原因は未だ判明しておらず、何が始まりなのかもわかっていない。


―氷魔

“冬”の使徒とされる怪物たち。

 物語的に重要な存在なのだが第一章時点では実際の出番はなし。

 今後にご期待ください。



・バルクハルツ帝国

 本編で『帝国』という単語が出てきた時はたいていこの国を指す。

 スノールト領が属している、ベルキア大陸中央~北部の大部分を占める大国。

 各国が次々と“冬”に呑まれ国体を維持できず崩壊する中、唯一残っている人類文明の砦。


 ……というと正義の味方のように聞こえるが、歴史的にはそうでもない。

 広大な農地と発展した農耕技術、多数の人口による各種生産力、それらにより支えられる兵力を背景に各国へと侵略を繰り返していた軍事大国である。

 併呑したり滅ぼした国家の技術を取り込み、それによってさらに力を経て領土を広げてきた。

 ファンタジーでよく敵役として登場する悪の帝国と何が違うのかと聞かれると何も違わないとしか言いようがない。


 今のような人類代表国家の立場を取り始めたのは約140年前、“冬”の始まりから。

 東西南北に伸びていた戦線が次々と寸断され大きな被害を出したことから外交政策を一転、人類全てが力を合わせこの脅威に立ち向かおうと各国に喧伝した。

 そうして各国の難民と技術を次々と吸収しながら“冬”に抗い続け、現在に至っている。


 統治体制については絶対王政を主としている。

 各地の貴族や高位聖職者が領主として自治権や一部の外交権を与えられている封建主義的な一面もあるが、それらの活動は帝国基準法の下に行われねばならず皇帝の意には決して逆らえない。

 監視役のお役人が“処刑人”なんて肩書の人間を連れているあたり色々お察しである。


 初代皇帝は突然天より現れ皆を導いたという建国神話が存在し、加えて農耕により民を育み苛烈な戦争を繰り返して発展した歴史から、歴代皇帝は農業の守護者であると同時に死の神の化身として崇められている。

 そのため皇家の紋章には農業と死、双方を象徴するシンボルとして鎌が描かれている。



―スノールト領

 本編の舞台。シュニーが領主として送り込まれた土地。

 広大な自然とその中にぽつんと存在する街からなる。

 バルクハルツ帝国領の北端に位置する地で、人間の居住地域は近隣の帝国領土とも遠く離れている。


 かつては複数の城塞都市から構成され辺境ゆえの強い自治権を有する“帝国の内の帝国”と呼び称された強大な領地だったが、“冬”の到来以降は状況が一変した。


“冬”に対する防衛の最前線である、その興隆を疎んだ帝国中枢や有力貴族による支援の出し渋り、等複数の理由により次第に衰退。

 今現在は旧中央都、領地の名を冠した街スノールトしか残っていない。

 その上帝国中枢からは半ば見捨てられており、物資支援はほとんど断たれ罪人や帝国にとって政治上都合が悪い人間を送り込む流刑地のような扱いになっている。


-フィンブルの町

 スノールト領に存在する町。

 シュニーの前領主の横暴に耐えかねたステラとラズワルドが子供たちを連れてスノールトの街を離れ立ち上げた。


 幸いにもかつての都市の廃墟を利用できたおかげで町としての基盤は最低限整えられたものの、子供たちだけで暮らすには様々な問題が浮上していた。

 具体的には製鉄や衣服の仕立てといった近世文明的な生活を営むのに必要なあれこれを用意できる技術が無かった。

 そのため、第一章の一連の騒動が無かった場合にはあまり明るい未来は無かったと思われる。


 現在は仮認定としてスノールト領第二の居住地となり、復興作業が進められている。

 今後継続して居住地にするかどうかは一旦経過観察の状況となっている。



―ルプスガナ公爵家

 シュニーの生家。

 帝都に隣接した領地を治める、軍事方面に強い影響力を持つ家系。

 一族の始まりは貴族階級ですらなかったが、帝国の長い戦いの歴史で武功を上げ功績を積み重ね、ついには“皇帝の懐刀”と讃えられるまでに至った。

 その影響力と帝国中枢からの信頼は、訳ありの領地と言えど辺境伯の任命に一方的な希望を押し通せるほど。


 歴代当主は叩き上げで今の地位に至った歴史を誇っており、一族の子女には高い能力、そうでなくても勤勉である事を求めているため『才無き者、自ら学び育たぬ者に生きる価値無し』という苛烈な思想を持っている。

 シュニーが追い出されるのも必然だったと言える。



・ネザーリア連邦

 ステラとラズワルドの故郷で、数年前に滅亡した国家。


 複数の群島から構成された島国で、豊富な海産資源と肥沃な土地に恵まれていた。

 そのため文明は大陸の国々と比べてそこまで発展しておらず、原始的な漁業や農業で十分に国を賄えており人々の性格も穏やかだった。

 だが“冬”の到来により状況は一変、破滅の道を辿ることとなる。

 現在は全土が“冬”に呑まれ、氷魔が跋扈する一面の雪原でごく少数の生き残りが死を待つだけの状態である。



・聖神教

 世界で広く信仰されている唯一神教。

 女神キュアリネーを信仰対象としている。

 シュニーもそこまで敬虔ではないが信徒である。

 バルクハルツ帝国の国教もこれなので、他の宗教が禁止されているわけではないがそれらの信徒はちょっと肩身が狭い。


―キュアリネー

 聖神教の唯一神。

 世界はこの女神の体そのものであるとされる、創造神にして母なる神。

 外見は女性という他は定まっておらず、芸術家の想像によって様々な姿の作品が作られている。

 とはいえあまりに性癖を出し過ぎると教会の方から来た人によってどこかへ連れていかれるため、節度を保っての芸術活動が大事である。


 唯一神ではあるが、「これはキュアリネー様の豊穣を司る化身」「これは怒りを司る化身」というように様々な形での信仰が存在しており、実質的な多神教のように扱われている向きもある。

 帝国の皇帝が“死の神の化身”として扱われているのもこの関係。


 その辺りは聖典の解釈が分かれるところなので、聖職者と話をする時にはどういうタイプの信仰を持っているかそれとなく探るスキルが試される。



・異種

 異種族のこと。

 人間以外の意思疎通が叶う人型種族全般を指す。

 本作の舞台となるバルクハルツ帝国が長らく普通の人間的な種族を主とした国だったという事情で、人間を基準とした呼び方となっている。


―人間

 人間。

“種族としての人間”を指す場合と“人間(種族名)と異種を合わせた人型種族全般を指す概念としての人間”の場合があるためややこしい。


“冬”到来以前から世界的に最も一般的だった種族。

 この種族が多い地域ではだいたい人間呼びだが、そうでない地方では間人や矮種等様々な呼び方をされている。

 地球の人類と能力を比べると、(魔法の概念があるので一概には比べられないが)最頻値はそこまで変わらないが上限がかなり高い。

 才能ある人間が鍛え抜けば素手で熊とかにも殴り勝てる。


 他の異種と比べると繁殖力の高さ、手先の器用さや精神的な忍耐力に優れている傾向があり、単純なスペックでは大きく勝る他種族ではなくこの種族が最も繁栄した要因だと考えられている。


獣人ズーリャ

 動物的な特徴を体に持っている異種の総称。

 戸籍などの種族記載欄でこの名称が使われることは稀で、

 多くの場合は具体的に何の獣人か、を記すことが求められる。

 例外はあるがその多くが高い身体能力と優れた五感を有している。

 一方で逆に魔術や神秘術といった魔法には不慣れな場合が多い。

 基本的に同族意識が強く、多民族国家ではそれが原因でトラブルの種になる場合も多い。


-人狼

 獣人に分類される種族の一つ。

 狼のような耳と尾を外見的特徴とする。

 イヌ系の獣人では希少な少数種族を除けば最も高い身体能力と燃費の悪さを誇っている。

 同族意識も特に強く、仲を深めれば大変頼りになるが気難しい、というのが冒険者や軍人など戦いを生業にする人々の一般的な評価。


森人エルフ

 ファンタジーでおなじみ、自然に親しみぴんと伸びた耳が特徴的な異種。

 第一章での出番は長寿の例として地の文でちらっと触れた程度。

 寿命が長く弓の扱いに長けるという部分ではステレオタイプなそれと同じ。

 魔法の適性については個体差が激しい。

 また、生まれた土地の魔力の影響を受けやすく変異が起こりやすい性質を持つ。

 そのため“冬”の影響にある程度の耐性を持つ雪森人、地下空洞世界に適合した闇森人、などの亜種が多く存在している。


偽魔デモニア

 いわゆる悪魔的な異種。

 ラズワルドがマルシナの種族を予想している時に名前だけ出てきた。

 頭部に生えた一対の角を特徴としている。

 かつては多くが存在していたが、現代で生き残っているのはごく少数である。

 良く言えば物静かで理性的、悪く言えば陰湿な性格の者が多い。


竜人ドラコニア

 翼、尾といった竜の特徴を持つ異種。

 素手の人狼がどれだけ強いか、についての話題で名前だけ出てきた。

 高度な身体能力に他種族とは隔絶した肉体強度、潤沢な保有魔力量といった総合的に優れた形質を有する。

 できないのはあおむけで寝ることくらいだ、というジョークが存在するくらい。


 獣人の一種として扱うかどうかについては議論が絶えない。

 そもそも獣人という区分自体が全く別の種族を纏めている恣意的な分類のため、そこに含むか含まないかなんてどうでもいいのでは?

 という身もふたもない結論を出す学者もいる。



・魔法

 魔力と呼ばれるエネルギー源を用いる術の総称。

 現代文明の基盤を支える技術のひとつである。

 原理や性質などの詳しい説明はナルナやミーシャがメインとなる章で語られます。


―魔術

 魔力を使って世界を書き換える技術。

 神秘術よりも歴史は浅い、新興の分野。

 元々は偽魔の術、を意味していたが時代が下るにつれてその意味は忘れ去られ現在は魔力を使う術、くらいに認識している人間が殆どである。


 応用範囲は神秘術と比べて遥かに広いが、その自由度の高さが災いしうまく扱えない者には何がなにやらとなる。


 ある性質から、肉体損傷を治療する際には気軽に満たせない条件が求められるため、雑多な患者を癒す必要がある医者としての適性は神秘術の使い手の方が高い。



―神秘術

 魔力を神(と思われるもの)に捧げて見返り(と思われるもの)を受け取る形で発動する術。

()が付いているのはそういう名目、というわけではなく実在が物質的な証拠を以て証明されていないから。

 こういう手順で魔力を使えばこんなことが起こる、という経験則を信仰と照らし合わせて生まれた解釈である。


 信仰心さえあれば誰でも使える……というわけではなく、習得できるかどうかは生来の才能に大きく左右される。

 神は平等である。残酷なまでに。



・冒険者

 ファンタジーの花形。

 本作における冒険者も大まかなイメージに違わず、草むしりから護衛から探検まで依頼をこなす何でも屋である。

 仕事柄大きな成果を出そうと思うと死亡率が高くなる危険な職業であるが、貧しい身分でも届け出一つですぐに就けて一攫千金が狙えることから希望者は後を絶たない。

 “冬”の直接的な脅威や間接的な悪影響である治安悪化により国軍の手が足りていない今のご時世では需要が高まる一方だが、その扱いについては帝国の各領地でまちまち。

 民間の武装集団が野放しになっているのが許せない領主はあれやこれや理由を付けて締め付けるし、逆に厚遇して戦力としてうまく扱う領主もいる。


 スノールト領の場合は締め付ようにもそれを実行できる力がないし、厚遇しようにも冒険者組合への連絡手段がないという論外な状態である。 



・春待ちウサギの冬越え

帝国全土で広く読まれている小説。

比較的簡素な文体で書かれていて、子供でも読みやすいため教会や学校で文字の教育材料に使われる場合も多い。

元々は少数の写本を使っての語り聞かせが主だったが、近年の製紙、印刷技術の発展によって広く一般臣民にも本が入手できるようになった。

 著者は帝国に併合された小国の出身で、既に逝去している。


 内容は雪山のウサギたちが知恵と勇気を振り絞り、危機を乗り越えて春まで耐え忍ぶというもの。

 スリの達人や珍しい石の収集家、肉食動物を闇討ちしていた猛者など、個性的なウサギたちが得意分野を生かして問題を解決していく描写に子供も大人も大盛り上がり。


 少女は会議中に猫が突然毛玉を吐く描写が大のお気に入り。




───おまけ:第一章IFルート集

シュニーが別の選択肢を取っていたり前提条件が違っていたりしたらどうなっていた?

という別ルートの簡単な紹介です。


・そもそも領主の役目を果たそうとせず諦めていた場合(第4~5話で分岐)

 領民に混じり、少しずつ生活に慣れていき素朴な感じに暮らします。

 でも現状に絶望した民はそのままでほとんど何も解決しないので先細る一方。

 次の間期を迎えることはできません。


・ガウルたちの襲撃に対し簡単な解決法を選んだ場合

 具体的には『フィンブルの町を見殺しにする形で棲む場所を失った子供たちをスノールトの街に回収する』という選択を取ったルート。

 本編で語られていた通りフィンブルの町は喪失し、ラズワルドとステラがいなくなるだけで領地分裂問題は解決します。

 ただしあれこれ相談したり愚痴れたりする気安い友人がいないシュニーの今後にじわじわとダメージが入るため、今後本編で起こる事態を解決できずそこで詰みます。


『ラズワルドがシュニーを誘拐できなかった』『何かしらの理由でシュニーがフィンブルの町の存在や事情に気付けなかった』というようなフィンブルの町放置ルートはいずれも大筋としてこの流れになります。

 領主が何もしないまま事が解決するため、シュニーが領民からの信頼をほとんど得られずその辺りも後の流れに悪影響を与えます。



・ガウルたちが存在していなかった場合

 シュニーが一旦スノールトの街に戻る際の別れ際に言った「大人を連れてくる」発言にラズワルドが怒り、ひと悶着あります。(本編でもあった通り)

 ただ、領地の過去についての情報収集は本編と同じように進むため、シュニーが橋渡しに注力する形で最終的には和解が成立します。

 人狼たちという人材を獲得できなかった以外は本編とそう変わらない流れに落ち着きます。



・ガウルたちの襲撃後、シュニーが少女と対話する機会を得られなかった、もしくは対話の機会を得てなお立ち直れず絶望しっぱなしの場合

 今後の本編完結までに起こる事態は全て生き抜けます。

 その後詳細は省きますが大惨事になります。

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