第2話 思うがままに
結月は今年で23歳。
短大に上がるのを機にツインテールをやめて髪を下ろすようになった。
『可愛い結月』から『大人の結月』へ変わって行った。
でもその中でずっと我慢してたけど、耐えきれなくて結月に思いをぶつけた。
―――――――――ある夜。
仕事が休みの日、寝室の明かりを抑えてベッドに座らせた。
僕は立ったまま結月を見下ろしてた。
そして…頬を軽く叩いた。
続けてもう片方も…。また反対も…。
そのまま結月の反応を見ながら首を絞めた。
結月の恍惚とした目がたまらなかった。
その日はそのまま軽くキスだけして何もしなかった。
……幸せだった。僕の手の中に
僕は結月が眠った後、リビングのソファに寝転んであいつに触れた手を見て…匂いを嗅いだ。
でも僕は幸せだった。『性的な何か』と言うよりも、『心が満たされる』感覚だった。
けれども、同じ行為でも相手が違えば交わって
『今吐き出した、交わったこの子は決して僕の物では無くて、きっと誰かのもの。この体も心も誰かに飼われていて、誰かに従服してる。』
そんな感覚だった。
そんな中、僕は僕のままを結月に出した時に、結月は受け入れてくれた。
結月は、微笑みながら僕を見てくれた。
初めてそうした夜、僕は結月を抱きしめて泣いた。
『申し訳なさ』がとても強かったから。
『傷つけてしまった』そう思ったから。
でもそんな僕を結月は
『大丈夫、大丈夫だよ。』って。
『何も悪いことしてない。涼ちゃんはちゃんと私を愛してくれてる』ってそう言ってくれた。
僕はそれまで『本当の意味』で結月を愛してはなかった
。最低だけど『可愛いから手離したくない。可愛いから置いておきたい。』そんな感覚だった。
同じ事をしてた相手は他にいた。
僕はそいつの方をちゃんと愛してた。
交わりもあった。とにかく痛め付けて愛した。
最後は結月と同じ年のそいつも僕の店から旅立って行った。沢山世話になったけど、行きたい道に行く事で背中を押した。本当はずっとそばにいて欲しかったけど、いずれはどちらかを選ばなきゃいけない。
なら離れて行かない方を選ぼうと決めた。
でも、そいつの最終出勤日に僕は、店の地下にあいつを連れ込んで最後にした。
僕の前に座らせて、僕も目の前にしゃがんで首を絞めながらキスした。
…そのまま指だけで果てさした。
卑怯にも果てる瞬間に、耳元で、
『お前を一生愛してる。』と悪魔のように囁いた。
そいつは僕の腕にしがみついて体をふるわせていた。脳内が快楽で回っている中だ。夢心地の中のそんな言葉に力などない。
その後何も無かったかのように店を出て行った。
結月はかわいい。今でも変わらない。
愛し方も合わせてくれる。あいつが求めるやり方をすることもあるが、僕はあまり楽しくない。
でも捨てられたくないので合わせる。
もしかしたらあいつも同じなのかもしれない。
そう思うと、あの女をすぐにでも呼び立てて痛め付けて犯したくなるが、
もしかしたらあの女も同じように《普通》を求めて《普通》で《幸福感》を得る女だとしたら僕はまた誰も信じられなくなってしまう。
だから、本当は毎晩でも結月を痛め付けて可愛がりたいが、抑えて数も減らしてあいつの思う所に事だけするように変えて行った。
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