君を殺したかった

君を殺したかった。

これはメタファーではない。

僕は君を、

この世から消し去りたかった。

純粋な殺意だ。

憎しみなどではなく。

その感情は

抑圧されていた。

僕はその感情を、

認めたくなかったのだ。

そのうちに、

そのことは忘れていた。

すっかりと……


僕は君で、

君は僕だ。

僕たちは双子だ。

これもメタファーではない。

ある意味では。

だから僕は、

君の存在を認めなくなかった。

自分がもう一人いることが、

許せなかったのだ。

心の底から。

腹から。


だから僕は、

君の元から去ったのだろう。

無意識のレベルで。

あるいはそれは、

神の采配だったのかもしれない。

僕は自分の欲望を

本当にコントロールするまで、

君に会うことは

きっとかなわないだろう。


あるいは僕自身が、

例の「闇」なのかもしれない。

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