第3話 カレー作りに挑戦

圭一郎は焼肉を我慢しながらも、美香との関係を大切にしたいと思い始めた。


彼は美香にカレーの作り方を教えてほしいと頼んだ。


美香は喜んで応じ、彼女の店でカレーの作り方を一から丁寧に教えてくれた。


圭一郎は真剣な表情で美香の指導に聞き入り、スパイスの選び方やトマトの使い方などを学んでいった。


「さて、まずはスパイスから始めましょうか。カレーの魂とも言えるスパイスの選び方は非常に重要なのよ。

こちらにはカルダモン、クミン、コリアンダー、ターメリックなど、さまざまなスパイスがあるの。それぞれのスパイスには個性があり、絶妙なバランスを作るためには、どのスパイスをどの程度使うかがポイントだよ」


と真剣な表情で説明する美香。


「なるほど、スパイスの組み合わせがカレーの味を決めるんだね。でも、どれくらいの量を使えばいいのかがわからない」


と戸惑う圭一郎。


「そうね。スパイスの量は経験と感覚が必要かも。最初は少なめに使って、味見をしながら調整していこうか。少しずつ足していくことで、自分好みの味に仕上げることができるから」


「なるほど、じゃあ、スパイスの使い方も慣れていくしかないか」


「そうだね。慣れてくると自然と感覚が身についてくるよ。

あぁ、それから、トマトの使い方も大切なんだよ。トマトはカレーにコクと酸味を与える役割を果たすから。新鮮なトマトを使うと、より美味しいカレーができるの」


「トマトの選び方や加え方にもコツがあるのかい?」


と細かいところまで習得しようと圭一郎も真剣に質問する。


「そうだね、トマトは熟していて、赤くジューシーなものを選ぶことがコツ。そして、トマトを加えるタイミングも大切なんだよ。

最初から入れてしまうと、トマトの酸味が逃げてしまうことがあるから、最後のほうで加えることで、トマトの風味がしっかりと引き立てるの。」


「なるほど、トマトは最後に加えるのか。

それにしても、カレーの作り方って奥が深いなぁ。」


と感心した表情の圭一郎。


「カレーはただ食べるだけでなく、作る過程自体も楽しむことができるの。自分の好みの味を追求することで、より一層満足感を得ることができるよ。」


「本当にそうだね。美香、ありがとう。自分でカレーを作ってみて、美香に振る舞えるように頑張ってみるよ」


圭一郎は美香の教えを胸に刻み、自分のカレー作りの道を歩み始めた。


彼は美香の店での思い出と共に、新たな料理の世界を探求していくのだった。


◇◇◇


圭一郎は美香から学んだことを実践するために、自宅でカレーを作ることにした。


彼はスーパーマーケットで必要な材料を揃え、美香の教えに従って調理を始めた。


彼はスパイスの組み合わせや火加減のコツに悪戦苦闘しながらも、一生懸命にカレーを作り上げた。


その過程で、彼は自分が焼肉に限らず、他の料理にも挑戦することができることに気づいた。


また、カレー作りに集中するうちに、圭一郎の心は焦りや不満から解放され、カレー作りを通じて新たな喜びと成長を感じるようになっていった。


◇◇◇


その頃、あるカレーマスター・智也が美香の店に訪れ、彼女のカレーを絶賛した。


智也は圭一郎が美香からカレーの作り方を学んでいることを知り、興味津々で彼に接近した。


智也は圭一郎に特別なカレーの技法を教えることにし、彼の才能を伸ばすために尽力した。


圭一郎は智也の指導のもと、さらに上達し、カレー作りの奥深さと楽しさを学んでいった。


「智也さん、本当にありがとうございます。

美香さんのカレーを絶賛してくださって、そして私に特別な技法を教えてくださって本当に感謝しています」


と圭一郎は笑顔一杯でお礼をいった。


「いいえ、お礼なんていりません。君には素晴らしい才能があるんだ。

私はそれを見抜いたんだよ」


と智也は、謙遜気味に答えた。


「でも、私はまだまだ未熟です。智也さんのようなカレーマスターにはまだまだ及びません」


「そんなことはないさ。カレーの才能は一つの基礎に過ぎない。君にはもっと大きな使命があるんだ。」


と智也は急に真剣な表情で圭一郎を見つめた


「使命ですか?」


「そうだ。カレーはただの食べ物ではないんだ。それは心を満たし、人々をつなげるものなんだ。君はカレーの魅力を広める使命を持っているんだよ」


と智也は圭一郎に誇らしく語った。


「カレーが人々をつなげるもの…それは本当に素晴らしいことですね」


「そうだ。カレーは国や文化を超えて人々を結びつける力を持っているんだ。君の手で、その力を広めていくんだ」


圭一郎は智也の言葉に心を打たれ、カレーの魅力を深く理解するようになった。


彼は智也の教えに従い、さらに技術を磨きながら、人々に美味しいカレーとその魅力を伝えることに情熱を注いでいった。


そして、やがては自分自身のカレー店を開くことを夢見るようになった。

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