けものフレンズ2.1
ふせんさん
第1話 おもいで
朽ち果てていた施設の天井のわずかに開いた穴から一筋の月光が差し込んだ。
月光に浮かび上がったのは、様々な器具と床をおおいつくすようなガレキだ。
その中で何やらカプセルみたいなものが、怪しげに光を放っている。カプセルは、何かの卵のような、まゆのような、不思議な形をしていた。カプセルというより、ゆりかごと言ったほうがピッタリくる。
バリバリ...。
暗い建物の中で、ガレキを踏む音が響く。暗いせいか、だれが歩いているのかはわからない。
その子は、例のカプセルの所の近くに行くと、歩くのをやめた。
「...さくせんはしっぱいしちゃったかぁ...。」
ため息をつきながら、ノートに何かを書き込んでいる。
「...でも、いっか。どうせ”出来立ての”ヒトのコピーで成功するとは思ってなかったし...。」
しかし、諦めていなかった。
「それでも...」
その子は、ノートのページをめくった。そのページに描かれていたのは、たくさんのフレンズとセルリアンとガイドさん達が笑顔で並んでいる絵だった。とても幸せそうだ。
「あのさくせんを成功させなきゃ...。」
その子はノートから一枚の写真を取り出し、見つめる。
「...大丈夫。」
自分に言い聞かせるようにいった。
写真には、二人の笑顔が映っている。
「...あの日の約束、忘れてないからね...」
その子は、涙をこらえながらそう言った。
「...次こそさくせんを成功させて見せるから...安心して見守っていてね...。」
その子は、写真を見つめながら、さびしそうにそう言った。
(1.怪しい影)
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(現在、たつき監督版けものフレンズ2期を制作しております。けもフレ2.1は現在のところ、制作停止しております。)
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