第12話

「結局、正義って何なんだろうな。」


 薄暗い部屋の格子のついた窓から彼女は、少しの星を見上げていた。


「みんな、己の正義を信じてる。」


 小さな吐息と共に、つぶやかれた言葉は、果たして正義とは言わないだろう。


「みんな、殺してやりたかったよ。」


「あぁ、本当に。」


 飲み込まれそうな夜は、まだまだ、続く。


 まだ、生きているだろうか。


「ごめんね、みんな。」


 過ちは、正さない。強く、そう胸に刻み込んだ。

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