第2話 スタンド使いと戦ってきたの?

 ある日のこと、電話で旦那におつかいを頼んだ。


「ごめん、帰りにパンと卵、買ってきてくれない?」

「ああ、いいよ」


 数十分後、帰ってきた旦那。

「ごめんね、ありがとう」

 玄関で買い物袋を受け取る私。


 だが、買い物袋を見た私は首をひねることになる。


「え、パンと卵は?」

 買い物袋には白菜やネギなど食材は入っていたが、パンと卵はどこにもなかった。


 ハッとした顔でこちらを見る旦那。

「あ……、忘れてた……。スーパー行って、あれもいるなこれもいるなと思ったら、パンと卵のことすっかり忘れてた……」


 2つしかお願いしていないのに両方忘れて帰ってきた旦那に驚く私。

「あ、あれか? 3つのことしか覚えられなくするスタンド使いと戦ってきたの……?」

 ※ジョジョの奇妙な冒険「ストーンオーシャン」より

 3つのことしか覚えられなくするスタンド能力使いが出てきます。

 何か新しいことを覚えると前に覚えたことを忘れてしまいます。

 覚えられるのは3つまで。


「戦った……かも」


「……それなら仕方ない。次から全部体にメモして買い物行って……」

 それだけ言って、私は旦那に背を向けた。

 私はいつのまにかジョジョの世界に迷い込んだらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る