虐待して監禁してくるクソ親がいるので、仮想現実に逃げちゃいます!
学生作家志望
最初のワープ
第1話ゲーム開始!
「グラハム。私はレッジという場所へ仕事で行く。適当にご飯を作って食べておきなさい。」
「それと...順序は逆でもいいのだけれど、掃除をしなさい。城全てをね。」
「そんな!俺にはそんな体力も力もございません!」
「グラハムッ!私の前では俺ではなく、私かわたくしと名乗ること。もう忘れたのですか?」
「はい。すいませんでした。」
「それでは。」
足音が完全に聞こえなくなってから俺は正座して痺れていた足を直し、食堂へ向かった
今日の朝ごはんはホットドッグ、冷蔵庫にあったのが5個だったから...後、4個も残ってる。きっとこれで怒られることはないだろう!
毎朝起きるたびに怒られるかどうか、母親の様子を見る毎日に俺はすっかり慣れていたから、何をしたら怒られるのかくらいはわかるものだ。
「わっ、なんか落とした。」
足元で何かが跳ねる音がした
「これ...なんだ?」
「こんなの、ポケットに入れてなかったぞ?」
俺の手元にあったのは小さな黒い玉だ。逆に玉以外にこの見た目を表すことのできる言葉は思いつかない
わけもわからず、とりあえずポケットに入れて俺は1番近い父親の書斎に雑巾を持っていった
「さってと。どこからやろうか」
「相変わらず、汚い部屋だな。」何回も掃除してるのになぜか毎回来るたびに状況は悪化してるような気がする
書斎というが、この部屋は書斎ではなくただのゴミ部屋である。あるとすればよくわからない外国語の本ばかりが綺麗に並んでいる本棚と古びた機械くらいだ
「本棚終わり。床拭くか」
トコンッ
「わっ。またなんか落ちた?今度は本棚からか」
本棚から落ちたものは、またもや黒い物体。しかし、よく見ると赤く光ってるのがわかった
「これ、さっき掃除した時、あった覚えなんてないぞ?」
「これ、録音機器かな。」
すずめの涙程度にある、小さな俺の部屋には同じようなものがこっそり置かれていた
赤く光ってるのが実はバレバレである。
「うーん、まあいいや!」
「おい!君!」
「おお、喋った?なんだこれ。操作方法わかんないのに、勝手に流れたんだけど」
「君!早く、部屋の隅っこにある機械の電源をつけなさい!」
「え?なんで?今、掃除中!」
「そうじゃない!早くしろ!何度も言わせるな!」
「うーん...それ本当に今じゃなきゃダメ?まだ床が全然なんだけど。」
「早く!早く!」
「うーんもう、しつこいよ!先に別のところからやろ。うるさい。」
俺は部屋を出ようとした。その時である。突然、腕を後ろから引っ張られたような感覚になった
「うわっ!手?足?なんか勝手に動いたし!」
「あれ?なんか音が聞こえる?ぱっぱってなってる!」
ぴぴっ
また録音が勝手に流れた
「頭に気をつけろ!!これから、ゲームの世界へワープする!」
「頭に気をつけろ?ワープとなんの関係があんの?!」
「んなこと今はどうでもいいんだわ!ワープまで後数秒!3、2、1、ワープ!」
ザーッ。誰もいなくなった部屋にその音だけが付け足された
「なんか空を飛んでる?違うな、走ってる?それもなんか違う!つまり、そうだ!流れ星だ!」
景色は青に染まり、そこに白い閃光が駆け抜けていく───────
そして、突然だ。突然、目の前に字が現れた
「ゲーム...開始!」
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