(三)-2

 先週は見つかるとやたらと発砲されて、三人は慌てて逃げ出すしかなかった。

 しかし今日の相手の発砲は散発的だった。

「何かおかしくない?」

 美代子が銃を引っ込めて弾倉を抜きながら言う。

「でも、向こうにはいけねえですよ。この建物沿いにいくしかねえですよ」

 芙美恵は小銃で発砲してくる方に撃ち返す。

「このままだと囲まれるわ」

 弾倉を交換し終えた美代子が再び銃を撃ち出す。

「行くぞ」

 そう言うと悦子は背後の方に進み始めた建物をそのまま壁沿いに進んで行こうというのだ。敵がいないのはそちらの方しかなかった。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る