第23話




いただきます!



まずはキンッキンに冷えた缶ビールを飲む。



ープシュ!



開けた瞬間にきめ細かい泡が出てくる。



ーゴクリ…



では!



ゴク!ゴク!ゴク!



「………美味い!うますぎる!悪魔的だ…!」



美味すぎて視界が馴染んでくる。

最初にガツンと刺激がやってきたあと、

スーっと鼻から抜けていく感覚がもうたまらん。



早速いくらとサーモンの親子丼からご飯を箸で多めにのせ、その上にサーモンといくらが乗っかっている。ホカホカと白い湯気が出ている。



あむ…モグ、モグ、モグ、ゴクン…。




~美味い。




いくらの甘味とジェットサーモンがいい感じにマッチしている。

上品な脂もご飯とマッチしている。

これはかき込むしかないな。



がつがつがつがつ………



——うんま…!やっぱりご飯はかき込むのが一番美味い。


ソテーも頂こう。


みると、こんがりと黄金色に焼けている。


そして、胡椒のスパイシーな匂いが漂ってきて、いくらとジェットサーモンの親子丼を食べたのにも関わらず腹の虫がぐーーーとなり始め、自然に唾が溜まってきた。



ガブリ!


むしゃ…むしゃ…むしゃ。


口いっぱいに大きく開けて噛むと、ジェットサーモンの肉厚さと脂の甘み、胡椒のアクセントと塩のしょっぱさが口の中に一気になだれ込んできて、頭が真っ白になるほどの衝撃を受けた。



人間って美味すぎるものを食べると頭真っ白になるんだな。噛めば噛むほど甘みと旨みの暴力が襲ってくる。


もう一口、もう一口、もう一口、



ーもう半分しかない。


いくらとサーモンの親子丼とソテーを合体させて最後は終わりにしよう。

名付けて、『ジェットサーモンスペシャル丼』だ。


ソテーがでかいから大口で食べなきゃな。



ガブウ!!


………………………………………。





そのあと、片付けをしたあと、そのまま家に帰って寝たのであった。

ああ、ちなみに最後の『ジェットサーモンスペシャル丼』の味は…言葉では言い表せない美味さだった。

今度是非作ってみてほしい。病みつきになるうまさだ。




◇◆◇




んああ…。よく寝た。

今日もいい朝だ。小鳥は鳴いていないが、窓を開けるとすうっと心地よい風が吹き、眠かった目をぱっちりと開けることができた。



早速朝ごはんをTKGでささっと済ませ、身支度をしてからダンジョン協会へ行く。



ダンジョン協会について、いつものカウンターに行ったら見たことがあるような、ないような人がいた。



「?!あ、貴方は…お久しぶりです」

「あーーお久しぶりです」

「そういえばあの時名前を言ってませんでしたね。改めまして、本名は言えませんが、ダンジョン配信者として活動している『剣に愛されたい姫』、長いので『剣姫』と呼ばれています」


あ、あ〜。思い出した思い出した。

あれか、えっと、Aランクの。あーなるほど。


「ご丁寧にどうも。知っているとは思いますが、八神大地といいます。多分『修羅』と言った方がわかると思いますが…」



~『剣姫』side~



『剣姫』は『修羅』の本名を聞けたので内心とても驚いていた。

(ほ、本名?!初めて聞いた!!)


そして、自身が前に配信で話したことがもしかしたらできるかもしれないと気づいた。


(あれ?もしかしたら今って…チャンスってこと?!)

しかし、相手はSランクであり、しかもそのSランクの中でも頂点といっても過言ではない『修羅』だ。提案するのはやめとこうか…


(いや!当たって砕けろだ!)


「あの、いきなりで悪いと思いますがもしよろしかったら一緒にダンジョンに潜りませんか?」

「あー。ありがたいんですが、今日は下層まで行くので…」


(ぐ…、でも下層の最初までだったら!)

『剣姫』はめげずに提案していく。


「あ、なら、下層の最初ぐらいまでは行けます!」

「あ、途中までだったらいいですけど、1人で地上まで帰れますか?」

「勿論帰れます!転移結晶を持ってるので!」

「じゃあ大丈夫ですよ、一緒に行きましょうか」

「い、いいんですか?!」

「勿論ですよ」

「やった…!」


(まさかまさかの一緒に探索できるとは…!すごく嬉しい…!『修羅』の戦い方を見れるのは参考になる!)



「終わりましたかー」


「あ、鈴木さん、待たせてしいましたね」


「まあ僕も暇なんでね。若い人同士の会話は飽きませんよ」


「な、なるほど」


「今日は依頼を受けずにダンジョン攻略ですか?」


「はい、まあそんな感じです」


「まあ、八神さんがいるので大丈夫だとは思いますがくれぐれも気をつけてくださいね」


「「はーい」」


「はい、では確認が取れたのでダンジョンに行けますよ」


「じゃあまた」


「はい、また後で」


「ま、また〜」 



こうして、『剣姫』と『修羅』はのんびりダンジョンは向かったのだった。






—————




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