いい加減な冒険譚

じょお

地球改変……よくある現代社会の世紀末

序章【プロローグ】

01 いい加減な冒険譚 その1

 設定適当上等!……ってことではじまり恥真理(恥が真理っ!?)

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──よくある転移転生だと思った?……残念!──


 会社帰りに見た夕焼け……それが地球での最後の正常な空だったということを俺は記憶している。あれから5年が経過した地球はもう……あの時には戻れない。そう思わせるに十分な変貌を遂げていた。


「はぁ、疲れたなぁ……」


 最底辺なハンター装備に身に付けたこの俺。「武佐威ぶさい  務能つとむ」……人は「ブサイク」とか「無才・無能」とかいってバカにするけど……放っとけよ!


「今日はこんだけかぁ……」


 袋から取り出した光に反射する小石を手の平で転がす。その数は5個程だ……1つ辺り千円で交換して貰える計算になるけど、税金を抜くと4千円になる……つまり、所得税10%が天引きされるって訳だ。


「これが年収が300万を超えると冒険者特別税が更に引かれるんだよなぁ……やってらんねぇっ!」


 ちなみに今日は魔石(小)が5つで多分5千円の税抜きで4千円の収入。いつもいつもこれだけの収入が得られればいいんだが……ゼロの時もあるし、魔石(小)2、3個くらい……ということも多い。だから、今日は出木杉って奴だ(だれが●ラえもんやねん!)


「仮に週6で働いて毎回魔石5個ゲットできても……年収120万そこそこだもんなぁ……」


 月2万円の安アパート住まいでなけりゃ、食っていけないのだ。大体、いつまでも初心者用のナイフやプロテクターをギルドで借りっぱという訳にもいかない……頑丈なだけが取り柄のナイフもプロテクターも、そろそろガタが来ていて返すタイミングが壊れてから……となりかねない。鞘に至っては「二刀流」とかバカやってパッカリと割れちゃって、今じゃテープで補強してる始末だし。


◆◇◆


「はい、ゴブリンの魔石(小)5つで4千円です。ナイフとプロテクターはいつ返却なさいますか?」


「あ、いえ、まだ替えの物が買えなくてですね……すんません」


「……なるべく壊れる前に返却……お願いしますね?」


 受付嬢の視線が舐めるように腰脇のナイフとプロテクターを見てからそう返す。いや……鞘が壊れてるの、バレてるよな……これ。


「な、なる早で……はい!」


 ……と腰を45度曲げて頭を下げてから全速力でギルドハウスを出る……。いや、毎日やってんのよ? これ。他の冒険者がニヤニヤと。新人ぽいのが物珍しそうにと、180度後方全体からチクチクとした視線を被弾しつつ……いや、もう慣れたけどさぁ……慣れたくないわな……ハァ


「4千円かぁ……ナイフを研ぎ直して……プロテクターのメンテは……まだいっか。後は家賃の為の貯金と…… 飯はまだ保存食のカロリーバーがあったかな?」


 ……とボヤキつつ、ギルドハウス付属の研ぎ屋より割安な裏道の研ぎ屋に向かう。そこで掛かる費用は千円。それでもある程度は斬撃力が回復するから活用してるんだけどな……


「さて……水買って帰るか……」


 このご時世、安全な水……なんてものは買わないと存在しない。何故なら、上水道が機能してないからだ。


 地上に魔物が溢れた時……上水道の施設に限らず、地上の施設や人工的な物なんかは、半数以上が破壊し尽された。つまり……機械的、電気仕掛けの物は壊されたんだ。水道管なんかは地下に埋まってる物が多いので無事な配管も多かったんだけど……


 つまり、地上にあった施設類はその時に破壊されたって訳だ……何故か住居となる建物の類は生き残ったそうだけど。電線とか電柱とか高圧電線とか、ビルの上の携帯電話基地局とか……魔物って電気嫌いなんか?……知らんけど。


 どちらにせよ、電気で動く機械類は……電気系統のライフラインが壊滅状態なので稼働せず。


 ガソリンや軽油で動く自動車・トラック等も攻撃された訳じゃないのに電気系統が駄目になって動かなくなったので使えなくなった。昔ながらの電装が少ない自動車でもバッテリーがダメになっててスターターが動かなくて駄目とか……要は、電気で動く物は全てダメになったと考えればいい……地下に施設してあった自家発電装置なんかは無事なのもあるみたいだけどな。


 その代わりといっちゃなんだが……使える物が発見された……そう、「魔石」だ。化石燃料や原子力、自然の……再生可能エネルギーとも違うモノ……第4のエネルギーだ。


※第四のユニットに非ず(謎)


「最初の頃は大変だったそうだけどなぁ……」


 今や、魔石から得られるエネルギーで世界は変わった……社会の基礎となるエネルギーも、人も、そして……人類の敵が現れるようになって、食物連鎖の頂点が誰かってのもね……


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※勝てば官軍。負ければ賊軍……弱肉強食の真理ですなっ(何か違う)

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