夜明けまえ

ねぎは

茶碗の底で

誰かが死ぬのを待っていた


脚を落したコオロギが

風呂の簀子すのこを這い回る


柱時計を置いたまま

時間たちは遠くへ行ってしまった


いのちの終り

蚊は

紙の上で文字のようだ

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