DRAGON RIDER

@orion23

プロローグ

 古の昔…、

 この世界にまだ、果が無かった頃…。ドラゴンは、あまたの生命の頂点に立っていました。


 神様はドラゴンを祝福し、世界を宝石で彩りました。


 それに慢心したドラゴンは、我が物顔で暴れまわり大地の恵みを全て食べ尽くしてしまったのです。


 困った神様は、人々に大地を耕せと命じました。人々は、荒れた地に水を引き、土を耕し、沢山の恵みを生み出しました。


 しかし、

 ドラゴンは、人々が一生懸命に作った大地の恵みを全て食べてしまったのです。それどころか、女や子供まで食べるようになりました。


 たまりかねた人々は、神様に訴えかけました。

 困り果てた神様は、人々に大いなる福音を与えました。

 するとドラゴンは力を失い、平安がおとずれました。


 しかし、

 今度は人々が慢心し、大地を好き勝手に作り変えてしまいました。それどころか、ドラゴンに与えた宝石で光り輝く都アバロンを作り、大地を耕すことをやめてしまいました。


 とうとう怒った神様は、大地を深い闇の底へ沈めてしまいました。

 飢えに苦しんだ人々とドラゴンは、理性を失い終わることのない争いを続けました。


 やがて、

 一部の理性がある人々とドラゴンが協力し、新たな新天地を探しました。

 人々はドラゴンの背に乗り、何日も何日も、辛い時はお互い励まし合い、暗い雲海を飛び続けました。


 その姿に心を打たれた神様は、豊かな大地バルハラを作りました。

 人々とドラゴンは、すっかり仲が良くなりバルハラの地で一緒に暮らしていくことにしました。


 《DRAGON RIDER》


 夢は覚め…

 神話は忘れ去られる…


 鉄が大地を駆け巡り…

 人々の手は赤く染まる…


 空への憧れは…

 ドラゴンと共に飛び去っていく…


 どうか、我が息子よ…

 あの眩しく自由で美しい空を…

 忘れないでほしい…


  『まだ見ぬ愛しの我が子、ロン・デッキランナーへ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る