第3話 寄り添い合う心
砂埃が消え去るのを待つことなく、急いでバイクから降り状況を見定める
「えっと、今なら大丈夫だよね」
周囲の状況を念入りに窺う二人。辺りに人影などは見えないが、先ほどから何を気にしているのだろう。
「じゃぁ、
「ああ、分かった。だけど早くしろよ。いつ
「そうだね。気にしてくれて、ほんとにありがとう」
「なっ、なんだよ急に、気持ち悪い奴だな」
突然にも明るく微笑みかける
「もうー、せっかくありがとうって言ってるのに、気持ち悪いって失礼だよね」
返ってきた言葉の意味に、
「いや、そういう意味じゃなくてな、弟を気遣うのは兄貴の役目だろ。血は繋がっちゃあいないが、俺と
そう、二人は本当の兄弟ではない。理由は、天体衝突の影響や食料難という問題であろう。
こうした状況から食料を求めて旅を続け、街を彷徨い物乞いをして生きる。そうでなくても、この世界は過酷な環境。人々の心は
さらに追い打ちをかけたのが、人々から汚いという理由による一方的な虐待。これにより、希望も未来も無くした
――そんな時だった。
『――おい、大丈夫か? 生きてたら返事しろ!』
突如として声をかけたのが当時の
眠るように気を失ったという……。
このように行き倒れした人間など、道端に捨てておくのが常識。ところが、
そのため、衰弱して震えていた
そしてこの時、
こうして互いの心に触れた二人。いつのときも行動を共に想いを重ね合わせ、兄弟としての絆を深め生きてゆく。本当の家族として…………。
✿.。.:*:.。.ꕤ.。.:*:.。.✿【場面転換】✿.。.:*:.。.ꕤ.。.:*:.。.✿
「えっ、兄弟……って、僕のこと?」
「――んっ、もしかして俺の勘違いだったか?」
嬉しさあまっての驚きか、初めて伝えられた言葉に戸惑いを見せる
「ううん、勘違いじゃないよ。でもね、ふふっ」
「なっ、なに笑ってんだよ」
「だってね、急に真面目な顔になるんだもん」
「――ったく。そんな事はいいから、早く行ってこい」
自分を認めてくれた事がとても嬉しかったのだろう。しかしながら、
「はあーい。お・に・い・さ・ま」
「――っち、からかいやがって。まあ、そんなとこが俺は好きなんだがな」
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