第8話

妹が俺を迎えに来る。


「お兄ちゃん、帰ろうか」


長い、長い、俺の縛られた一日はやっと終わりを迎えることが出来る。


「ねぇ、お兄ちゃん。今日は学校でどんなことかあったか、聞いても良いかな」


「・・・」


「ねぇ、お兄ちゃん、教えてよ」


「・・・」


「ごめんね。お兄ちゃん、教えて」


妹は泣きそう声を出す。そして周囲視線を集める。ただでさえ、どうしても目立つのに、


「普通だったよ」


「普通ってどんな?」

俺が答えるとすぐに普通の反応して話す・・・はぁー、


「特に何もなく、普通に授業を受けただけだよ。」


「誰に教科書とかお手伝いして貰ったの??」


しつこいな・・・


だが、妹のマシンガントークは終わることはない。リロードする時間は無いのだ。


「・・・夏にだよ」


「・・・夏さんって元クラスメイトの人だよね」


「そうだけど、」


「嫌じゃないの・・・かな?」


・・・嫌だよ。だけど俺はそんな人にも手伝って貰わないといけない。


俺は足だけじゃなくて、腕もあまりに動かせない・・・


本当に、屈辱だし、悔しいよ。俺をこんなにした人達に頼らないといけないなんて、


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る