第70話 愛弟子ザニー

「ぐごー、ぐがー……」


弟子、ザニー。


俺の隣で、全裸で性液塗れになって寝ている薄汚い半獣女。


ケツをペチペチして起こす。


「ぐがっ……?んお、おはようでやんす、師匠〜」


「おはよう愛しの我が弟子。愛しの我が弟子って言うと俺自身が愛しいと聞こえないこともないよな。こうして話しているけど、語順の構成とか日本語っぽいんだよなこの世界。なんか繋がりとかあんのかね?知らんけど、とりあえず風呂入ろうぜ」


「はいでやんす〜」


寝起きでまだぐねんぐねん、ふにゃふにゃの弟子。


全体的にダメでかわいいね♡


俺は全裸の弟子を抱き上げて、首筋を舐める。


「あんっ♡まだ足りないでやんすか〜?絶倫でやんすねえ……♡」


「いや、単にうまそうだったからつい舐めちゃっただけだ」


「た、食べられる……?!」


「たべちゃうぞー!」


「たべないでくださーい!でやんす!」


ふふっ、本当にかわいいな、弟子。


抱っこしてやりながらイチャイチャしつつ、廊下に設置したワープ床を踏む。


すると、大浴場まで転移した。


この、飛行都市にあるクソデカ城は、東京ドームなんて目じゃないくらいにクソデカなので、移動のためのワープ装置がそこらじゅうにあるのだ。どれくらいあるか?と言えば、樹の下にシンジュクがあるタイプのRPGシリーズの隠しダンジョンくらいはある。


で、全裸のまま廊下を歩き、大浴場の中へ。


朝風呂を浴びている女達に挨拶をされて、ついでにチューされて、ついでにお尻とおっぱいを揉んでやりつつ……、弟子と一緒に目の前の大風呂に飛び込んだ。


性液で湯が汚れる?いや、浄化の魔法陣だかなんだかをそこらじゅうに仕込んであるから平気だぞ。なんなら、湯に入りながら小便をしても問題ない。実際そういうプレイもやらせたことある。


朝風呂なんで、温度は温め。


アチアチの風呂は大好きだが、朝っぱらからそれはちょっとね。


「ふあぁ……、師匠〜」


水に浸かったからか、目が覚めたらしいザニーは、俺の腕を抱いて頬擦りしてくる。


ほっぺたぷにぷに。


俺が手に入れた女は、老いないように「調整」してあるから、ザニーの見た目は未だに中学生かそれ以下。


だがまあ、ザニーはイタチのリカント。この見た目で成人か、それより少し若いくらい。人間で例えると高校生くらい?であるらしい。


つまり、問題はないってことだ。




ひとっ風呂浴びた後は、身支度もせずにそのまま出歩く。


なんかこう……、レベルを上げた効果なのか、変なムダ毛とか生えなくなったし、肌も手入れ不要で綺麗だし、垢とかも出なくなってきたんだよな。


何も整えなくても、整った状態がデフォらしい。まあそれを言えば、俺は最初から整っていたのだが????


けどまあ、うん。この世界を作った神は相当にルッキズムに毒されているのでは?日本の整形サイボーグみたいだ。やっぱりアレでしょ?ステルス迷彩とか付けてるんでしょ?或いは、高周波ブレードで二足歩行戦車を斬る感じか?


まあでも同意だ、不細工は死ね!というのには。


俺も貴族、「ブタは死ね!」「家畜に神などいないっ!」「騎士以外の発言は認めない!」の精神で生きていこう。


そんなことを考えつつ指を弾く。すると、召喚されたザラマンデル(火の精霊)が俺の髪を乾かして……、もう一度指を弾いて体表面に服を召喚。


弟子も同じように服を着せてやる。


そうしたらそのまま、抱っこして運ぶ。


「飯はどうする、お姫様?」


「ん〜……、朝はいいでやんす。『お腹いっぱい』でやんすから……♡」


と、子宮の辺りを撫でて見せる弟子。


ほー、仕込んだ甲斐があるな。実にすけべで、よい。


「あっそう。俺は健康的な成人男性なので、朝昼晩としっかり食事をする主義だから、食堂行くわね」


「じゃあ、ココアでも飲むでやんすかねえ……。濃いやつを」


「濃いの好きだもんな」


「そうでやんすよー、濃いの好きっす!」


なんか全体的にエロいな……。


見た目はロリと言っても過言ではない、ペチャパイ幼児体型なんだが、謎の色気がある。


まあこう見えて経産婦だしな、妖艶なエロいロリも、よい。


ここで誤解してほしくないのは、俺はロリコンなのではなく、顔のいい女ならなんでもいいだけって話である。ロリコンよりもっとタチが悪いな!




「あ、師匠〜!犬神の新作が出るらしいでやんすよー!」


「は?マジ?こりゃお取り寄せしなきゃな……」


スマホ片手に、ゲーム情報サイトを閲覧して、ココアを啜る弟子。この飛行都市はWi-Fi接続できちゃうぞ!なんでかは知らん。『インターネット』を召喚したらそうなった。


俺は、でっかい丼に米、焼きソーセージと、半熟の目玉焼きを四つ。


この目玉焼きの半熟の黄身を破って、そこに醤油を垂らして混ぜる。


で、ここに、ソーセージを突っ込んで、醤油と黄身をつけて食べる。そして米!


あー……、美味え。


「カプンコさん、最近頑張ってるでやんすねえ」


「いや、純粋に、無印の犬神をプレイしていた層が大人になって権力を手にしたから、自分の思い出のゲームをもう一度世に出そうってんじゃないのかね?」


「なるほど〜!」


味噌汁は、ぶつ切りにした長ネギを胡麻油で炒めたやつが具。ここに、七味をぱっと散らすと……パンチが効いててうまい!


「そんな話をしていると、ゲームやりたくなってきたな……。今日はインドア派になるか!」


「あっしもインドア派になるでやんす!」




と、まあ、ゲームをして……、夜。


「はあ〜、やったやった。飯食おう、飯」


「はいでやんす!」


「今晩は……、ラーメンかなあ」


「じゃああっしは魚介系のつけ麺を……」


「にんにく入れちゃお!」


「えー?今晩もセックスするのに、いいんでやんすか?」


「大丈夫、高性能な消臭タブレットを召喚するから」


「そうでやんすか?」


「まあとりあえず、食おう食おう。ずるる〜……」


「っす!ずるる〜……」




……うん。


こうして見ると、やはり凄いな、弟子。


まったく全て、「俺が望む女になっている」……。


現代日本の話題を振れるとか、ネットミームが通じるとか、ラーメンが啜れるとか、一つ一つはそんなでもない。


だが、こいつは全部。


全てにおいて、俺の価値観に合わせにかかっている。


いつかの昔、言ったはずだ。


この世界では、日本のものを召喚できても、日本の空気は……いや、俺の気に入る空気は手に入らないのだ、と。


俺の気に入る空気感ってのは、これまたアバウトで酷い話だが……、まあその辺はこう、察してほしい。


こう……、ね?文化的な軋轢を感じないような女の子がね、一番嬉しいのよ。


変なカルト宗教(国教)にかぶれて、エッチする時は背後からはダメ!とか、訳わかんない事言う子、多かったもんなあ〜……。


他にも、宗教的にアレは食べないこれはダメ。うちの慣習でこれはダメ。教会がない!だの、この物語は道義的に良くない!だの……。本当にもう、ネッ?


ところが、愛弟子。ザニーは違う。


ザニーは、最初から、何も持っていなかったのだ。破壊するべき、「俺からすると誤った価値観」も、何も……。


だから、俺の価値観、俺の意思。その全てを受け入れて、現代日本人のような思考を持たせることができた……。


やっぱアレだな、玄人は出自を「持たざるもの」にすると良いですよ!みたいな話だ。その方が最終的なビルドで強くなるもんな。体力は30まで振っとけ。


だから……、こいつは。


一番愛してるとかではないんだが、そばに置いておいて一番疲れない女なのだ。


実質、嫁みたいなもんである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る