カラスを口ずさむ

空がスミレ色に変わるころ

遠くでカラスが鳴いた

山の向こうに日が沈み

残照が稜線を縁取っている

平和な夕暮れ


真っ黒な羽と高い知能をもつ鳥が

邪悪とみなされるようになったのは

いつのころからだろう


むかし教わった童謡の中で

カラスは愛らしい生き物だった


放課後のブランコの音の合間

遠くでカラスが鳴き始めると

空がオレンジ色に染まり

夕餉の待つ家へと

走って帰った夕暮れ


空と大地の間に生きるものたちに

優しみと憐れみを


そんなことを思いながら

七つの子を一節ひとふし口ずさんでみた


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093084547055887


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