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「そうですか?では宜しいでしょうか?」
「…いいよ。でも嫌になったら言ってくれて良いからね?」
「…はい。ありがとうございます。」
ごめんなさいお父様。もし公爵様が嫌になったとしても推しを愛でる為ならいくらでも耐えて見せますわ!
こうして、私と公爵様は婚約したのですが婚約期間中、一度もお手紙をくださることもない、定期的にやる筈のお茶も忙しいからと断られ、一度も顔合わせすることなく私達は結婚することになったのでした。
でも、これで私は婚約相手に無駄な気を使う必要もないと思い、推し活に専念出来ましたの!
本来の目的は推し活なので全く気にしておりません。
むしろ結婚しても私のことなんて忘れてくれたら楽そうなのに…と思ってしまいました。
そして今は結婚式を終え、夫婦の寝室で旦那様を待っているところです。
ですが全然来る気配はありませんね。私、明日も推し活の予定があって忙しいのです。もう寝ても良いでしょうか?
そんなことを考えながらウトウトしていると、ノックもなくドアがガチャッと開くと……
「お前がマリデール侯爵令嬢、リリアか。」
「ええ。お初にお目にかかります、旦那様。これからどうぞ宜しくお願い致します」
「これは政略結婚だ。お前を愛するつもりはない。」
あらまあ。私、今初めてお会いした旦那様に嫌われているのでしょうか?まあどうでも良いですけど。
「そうですか。愛人でもいらっしゃるので?」
「いない。私は必要最低限しか社交もしない。その辺りを心得ておけ」
「そうですか。では私は勝手に参加致しますね?この国は一人で参加しても良いというルールですので」
「好きにしろ。私には必要以上に関わってくるな。公爵夫人としての公務はちゃんとしておけ、執事長に伝えてある」
「そうですか。寝室はこちらしかないのですよね?」
「そうだ。だが私は…」
「分かりました。ではお休みなさいませ、旦那様」
「は!?最後まで私の話を…」
という声を聞きながら私は眠りに落ちていきました。今日は結婚式で疲れていたので。明日の推し活はどうしましょう?と考えながら……
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