第4話 高野悦子さん

紹介したい古い本があります。(もう絶版かな?)

『二十歳の原点』シリーズです。


高野悦子という若くして自ら命を絶った女性の日記です。

学生運動が盛んだった1960年代末期を代表するベストセラー作品です。


『二十歳の原点』は大学での生活を中心に悩みや、揺れ動く心、鋭い感性によって書かれた自作の詩などが綴られています。(Wikipediaより)


より若い頃の日記をまとめた『二十歳の原点序章』『二十歳の原点ノート』がありますが、なぜか私は『二十歳の原点ノート』の一番最初のページ、すなわちシリーズの一番最初の日の日記が印象に残っているのです。

彼女は当時、中学二年生でした。


◎1963年1月1日(火)

 今年の目標-自分を知る。


 新しい年


まっ白でそして新しいくつをはいて

ジロと散歩にいった

こおりをバリバリとわって

ザクザクとシモをふんで

ジロといっしょに走りっこした

新しい年がひらけてくるみたいで

  何だかうれしくなった

  楽しくなった

そして走った

ステンコロリー 初ころび

へんな気持ちだった

でも走った

ジロも走った

いっしょに走った


...以下省略します。


各年齢での日記を比べるとわかるのですが、彼女の成長が驚くほど感じられます。

そして彼女の苦悩が深くなっていくのも痛い程わかります。


私は思うのです。この14歳の彼女が純心で繊細だから、印象に残るのだろうと。

おそらく誰もが子供の頃はこういう気持ちがあったのではないでしょうか?


この部分の彼女の日記(詩)は私の心に永遠に残るでしょう。

みなさんの作品も誰かの心に残るといいですね。


(2024.1.27)

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