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上位者テロ──鷹峰前社長が命を落とした一連の騒乱は、人類に存亡の危機を突きつけた。
〈上位者〉と称する
僅か数人のテログループが示した能力は驚異的だった。
それでも人類は下位の屈辱を受け入れはしなかった。〈上位者〉を〈変異者〉と呼び変え、自らが歴史の正統な継承者であると主張した。
ここに、亡霊のように、世に忘れ去られた組織が浮上する。数十年前、既に次世代人類の出現を予見し、その対策に研究を重ねてきた
こうして、国家や人種、宗教やイデオロギーといった恩讐を越え、歴史上初めて人類は結束を果たす。共通の敵を絶滅するという目的のために。
不都合なものは滅ぼす──それが
政府の猟犬としてのブーステッドには、強固な首輪が嵌まっている。2年ごとのメンテナンスを受けねば体調を崩し命にかかわる。失調したナノマシンの透析や補充、免疫系の調整が必要なのだ。定期メンテという強固な首輪で、どう猛な猟犬を管理下に置くことができた。これまでは。だが──
ECHIGOYAの科学部門Eテクノロジーズが開発した新世代ナノマシン〈E10〉が革新を起こす。自己制御能を有するE10は人体の骨髄とリンクし、生来の血液細胞のようにふるまう。増殖や自壊まで行うのだ。
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