なんで気付かない?

「んむ~~! 美味しいけどあっつぃ!」

 大宮おおみやツムギは、家族でファミリーレストランに来ている。久々の外出ゆえに、楽しくてしょうがない。

「舌が焼けるぅ」

「この猫舌め。ホレ、水あるって」

「ありがど~」

 なんてやり取りを繰り広げながら、熱すぎるご飯を口に運ぶ。

「ツムギ、あれ」

 ツムことツムギは、父の指差す机を疑問符を浮かべて見た。

「?」

 ——この店は従業員が不足しているのか、配膳ロボットが配膳している。顔が付いており、ウインクしている瞳が愛らしいロボットだ。そのロボットは音楽を流しながら移動しているのだが、いかんせん『ご注文ありがとうございます』と話す声が機械音であるため誰に対し言っているのか分からなかった。


「おじいさん、全然気付いてないじゃんっ」


 近くのテーブルに腰掛けるおじいさんは、自身の後ろに『ご注文の品』を運んできているロボットに気付かず隣のおばあさんと話している。

「ちょっと様子見しよ」

~二分経過~

~三分経過~

~四分経過~


「うん流石に料理冷めちゃうよね⁉」


 料理に気付かず四分は、ロボットが可哀想な気がする。

「あの、料理来てますよ?」

「んぇ?」




喋る配膳ロボットの存在→『なんで気付かない?』



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