幼稚な六年生
「いけー! ファイト!」
熱い応援の声が飛び交い、白熱した戦いの
他より人数が多いカナデのグループは、運動音痴だということでカナデが抜けている。この相手には、以前負けたことがあるからだ。カナデにはただその試合を眺めていることしかできない。
カナデは、『くやしい』と歯を食いしばっては……いなかった。
いや、やっぱ、強者達と強者達の戦いは見てるのが一番だわ~。
どこまでも呑気なカナデであった。
応援もそこそこに、試合は終盤に差し掛かる。
「三グループー! 五秒ルールに気を付けて!」
三秒ルールならぬ五秒ルールを完全無視して相手ボールになってしまっている。そんなグループメンバーに注意をした。ふとボールに目をやると……。
「俺のボール‼」
「いや、こっちのボールだって‼」
お前らは六年生か⁉ そうツッコミたくなるほど幼稚な言動だ。床に転がって、ボールを抱えた男子と敵チームの男子がボールを引っ張り合い争っている。
「あははっ」
爆笑しながら視線を横に動かすと、隣のコートで3X3をしている二チームも、床に転がってボールの取り合いをしている。
「はははははははははっ」
本来、バスケはパスをし合って相手を振り切るものだ。決して、取り合うものではない。
六年生なのかと疑うほどに幼稚な試合だった。
「これ俺のボール!」「こっちのボールだって!」→『幼稚な六年生』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます