第8話 対策彼女
自己紹介と彼氏の紹介を終え、ウィッチと私は指令室にやってきた。
オキナワは負傷者の所に行っていて不在なのは分かってるんだが、うちの指令が居ない。
あおい指令だけが忙しそうに書類と格闘している
「ひなちゃん指令は何処に行きました?」
「あのバカガキは開発室に籠もってる、人が戦うんじゃなくて機械だけで戦う……無人の美装を作るとか言ってた」
「あおい指令殿、無人の美装、それは不可能とされていたはずではないか? 知らせてないのか?」
「あの子はバカでガキだけど、日本一美装作りが上手いんだ。少しぐらい時間をやってもいいと思ったんだよ、それにここにいても騒ぐだけでうざいから」
絶対に後者の方が強い理由だ。
「来てくれて嬉しいよウィッチ、でも歓迎会を開いてる余裕は無いってのは見て分かる通りだ」
「問題が片付くまではここにいるよう言われているのだ、全てが終わってからオキナワとあおい指令殿の夫婦漫才を見る事にする」
「あんな男好き野郎と付き合ってた頃の事は忘れたいんだから、それ言わないで」
「我は好きだったぞ? オキナワが他の女の話をしているならまだしも男の話をすると騒ぐあおい指令殿がな」
あー。
「それはアイツが女装して自撮りをネットに上げて喜ぶ変態だったから! あの時は本気だったから、自分の所から消えてしまいそうで不安とイライラが積もってたんだ」
あおい指令って。
「復縁はしないのか? 我が見たところだが、指令殿は未練たらたらに見えるが」
「……アイツは男が好きなんだ、今はそこのスーパースターの彼氏にベタ惚れさ」
「しかしスーパースター様の彼氏ではないか」
「寝取るって意気込んでたよ。……って、この話は今のスターの前でする事じゃないだろ! すまない、スター」
私の立ち位置と似てるんだ。
「現状だが、フェイスレスの巣に異変は無い。中から地上に現れたとかの報告も無いから、スターが戦った時のままだ」
モニターに上空からの映像が流れた。
最初に見た時よりも大きくなってる気がするけど、気の所為?
「内部状況についてはプリンスバトラーのデータから確認したが、まだ中には回収出来ていない遺体もあるからな……回収してやらないと」
「それは我が行こう、丁重に弔ってこその人である。知性を持つ物として、弔う事は絶対だ」
「そして中にいたレン、トウ、ゆいゆい、スーパースター全員を倒したフェイスレスについてだが……あ、スターを悪く言う気は無い。気を悪くしないでくれ」
「大丈夫ですよ」
あおい指令は咳払いをしてから、机上にフェイスレスの姿を表示させた。
私が殺すべき相手、煌きのフェイスレスだ。
「全身がとんでもない硬度の皮膚に包まれている。ヴァルガニカの一点集中のヴァルガニック・ヴァルガニカを食らってもたいしたダメージは観測できていない」
「ふむ、そうなると皮膚を少しづつ削り取る他無いか」
「それも無しじゃないがスーパースターのプリンスバトラーが使う針ならダメージが通ってたから、上手くやれば刺し殺せる。詳しくは本人に話してもらうとしよう」
私はあのフェイスレスの戦った時の事を話した。
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