第9話 話し合い。
あれから、1か月がたった。2週間ほどで退院できた。緒方の葬式には、病院に無理を言って外出の許可をもらった。体のあちこちが痛かったが無事に葬式で緒方の安らかに眠る姿を見ることができて少しほっとしていた。
姉も忙しいようで面倒は見てくれるものの、家のことをした後にすぐ仕事へ出かけていた。数日帰ってこなかったこともあるが、いつものことで気にはしていなかった。
しかし、僕の軍事学校に行く話をしないといけないことにだんだん焦るを感じていた。もう11月になり進路を変えたことで急いで保護者と話をするように先生からも注意を受けていた。
姉さんが休みの日を狙って、話をしようとしたものの仕事があるといって家ですらパソコンをたたいているのだ。さすがに、僕も耐えられず今日こそは話を切り出す。
二階にある姉さんの部屋まで駆け上がる。ドアをノックをすると部屋着を着たぼさぼさの姉さんが出てきた。目元にはクマができておりどこか疲れ切っていた。
さすがにその様子を目の当たりにしてしまうと心配をしてしまう。
「、、、姉さん大丈夫??」
「ああ、大丈夫。どうしたの?」
「いや、僕の進路について話し合いたいなと思って、、、でも、また今度の方がいいかな??姉さんきつそうだし休んだ方が」
「大丈夫だよ。そうだね、話しないといけない頃だね。」
疲れ切った姉さんは、スタスタと階段を下りていく。リビングに着くと手に持っていたコップを台所で軽く洗い、そのコップに新たにコーヒーを注ぎ始めた。僕も片腕を使い椅子を引きリビングに置かれた椅子に腰を掛ける。
「姉さん、僕軍事学校に行くから。」
「私も、そのことについて考えていたけど行きなさい。」
「ダメだって言っても、、、、えっ」
反対されるとばかり思っていた僕驚きを隠せなかった。目を大きくし姉さんの方を見る。姉さんもコーヒーを口にしながら椅子に座る。
「そんなに、驚くことでもないでしょう。」
「でも、いきなり許可をくれると思いもよらなくて。」
「そうね、私も考えたわ。でも、まさか私が家にいる時に毎回この話を切り出してきてたから私もあなた自身変わろうとしていたことにやっと気づいたわ。でも、条件がある。」
条件という言葉に息をのむ。
「何?」
「1年間の中でA級ゲートの攻略が一度でも出来たらいいわ。」
ゲートには階級がある。いわばゲートから出現した魔物の強さあるいは難易度でもある。S級 A級 B級 C級 D級に分かれている。D~Sに上がっていくにつれて力が強くなる。A級攻略には、軍でも一定数の強力な能力者を集めてから挑むほどのレベルであり、現在の僕では無理に等しい。
「それって、」
「できないとは言わせない。あなたは、死を覚悟して軍に入りたいといってるの。できないと思うのなら進路を変えずに高校に行きなさい。」
僕は、強くなりたいと決めた。友達も家族も守りたいと誓った。覚悟はできている。
「わかった。僕行くよ!」
少し、驚く表情をしていた姉も何もなかったかのように話を始める。
「あと、出張で帰ってこなくなるかも。」
「どのくらい?」
姉の仕事は忙しく、出張といい長期間家に帰らないことが多い。そのため、長期主張には、驚くことは減っていた。
「長くても半年。」
「!!!!そんなに!」
「ああ、まだ瑠偉の進路が決定したらだけどね。軍事学校に行くならきっと寮生活にもなるだろうし。この家に帰るのは滅多にないかもね。」
「そうなんだ。」
沈黙は続く。いつもは、仲良く二人で話していた空間もコーヒーを飲み干す音と時計の音だけが聞こえていた。姉さんは、椅子から立ち上がりコップを洗いに行く。
「姉さん。気を付けてね。」
「なに?気を付けて何て、珍しい。はは。」
軽く笑いであしらう姉さんの顔はやはり疲労で疲れている様子だった。目の下にはクマがあり彼女は今でも非常に眠たそうだった。
「ほら。最近ニュースで異能犯が増えているらしいから。そいうの取り扱ったりしてたりするのかなって。」
「そうね。でも、瑠偉は気にしなくていいのよ。そんなこと。」
姉は、いつもそうだ。僕が姉の仕事について聞いてみるといつもはぐらかす。警察の仕事も軍人と変わらず命の危険もある仕事と化していた。だが、姉は僕に過保護で偽りの言葉しか話さない。だが、そんなことは姉の優しさだと感じてもいる。文句なんて言えるわけはなかった。
「そう、ならいいんだけど。最近仕事で忙しそうだったから。」
姉は、コップや洗面台に置かれた洗い物を終えると僕の話を聞きながら軽く返事をする。
「ありがとう。そういえば、異能の報告はこっちでやっておくから受験勉強を頑張りなさい。一応、受験は筆記と面接が主だったでしょ。」
「えっ、そうなの?」
こちらを向き少し驚きの表情を浮かべていた。
「あなた、あんなに軍事学校に行くといってたのにそのことも調べてないの??」
「いや、ほらいろいろありすぎて考えてなかったから。」
頭に手を置いた。姉は、僕の言葉を聞いて驚きを隠せていないようだった。
「そう、早めに学校に着いいては調べておきなさい。」
「あっ、はい。」
姉は、そう一言言ってまた自分の部屋へと戻っていった。
あれから、3か月がたちギリギリ受験の日までに間に合うことができた僕は今軍事学校の試験を受け帰っている途中だった。。試験内容は、中三のまでに学んできた内容でもともと進学に向けて勉強を積み重ねていたためある程度は解けることができた。
面接に関しては、緊張をしながらも面接官からの質問も練習通りに返せていた期はしていた。
帰り道は、魁と一緒に帰ることとなり魁と帰っていた。
「るい、どうだった??」
「緊張したけど問題も何とか溶けたし面接も失言はなかったはず、、、」
「じゃあ、何でそんなにやってしまったみたいな顔してんだよ!」
大きく手を開き僕の背中をたたきつけた。衝撃が伝わり前進してしまう。問題ないのは、心ではわかっていても自信がどうしてもない。
「いや、なんか不安で。」
「あんだけ、試験勉強頑張ってたんだから大丈夫だろ。」
「そうだよな。」
「俺なんて、筆記はボロボロだったぞ。お前が落ちてたら、俺が受かるはずないだろ。」
「確かに。」
「おいおい、そこは違うっていうのが当たり前だろう!!!」
魁と会話をしながら会話を続けていると僕たちが歩く少し先で、僕と同年代ぐらいの女の子が男性に絡まれていた。女の子の服は、誰がどう見ても身分の高そうなものを着用しており、現代では目にすることすら珍しい縦ロールだった。
「嬢ちゃん、これどうしてくれるんだよ!!」
「何をそんなに怒っているのですか??後、汚い手を御放しなさい!」
男は、女の子の手をつかみ声を荒げていた。女の子は僕達は、すぐに女の子の方へと駆け寄る。
魁は、女の子の手を掴んでいた腕を掴み女性から手を離すように呼び掛ける。
「おい、なんだお前ら!!!」
「この子困ってるだろう!」
男は顔をゆがませた。
「おいおい、坊やには関係ない話だろ!」
「取りあえず、手を離せよ!!」
「、、、、イライラする。」
男は、魁の握る手を振り払い拳を作り殴りかかろうとした。その拳を振りかぶる姿を見切ってているように魁は簡単に躱した。相手の足を引っかけ転ばせていた。
「お兄さん~、威勢は良くてもこの程度の人が中学性に負けるなんて笑えますね。」
その姿を見た魁は、男のことを挑発していた。その言葉に怒りを表す男。
「ちょ、魁そんなこと言ったら。」
「ふざけるなよ。」
男の体はみるみるゴツゴツとした巨体へと変貌し、周りの人々はその光景を目の当たりにし逃げている人が多くいた。
「、、、わお、異能者かよ。」
「また、面倒なことになった。」
男は、また拳を振り上げ魁の方に殴りかかっていた。さすがにはじめも焦っている様子だった。しかし、簡単に拳をよける。
しかし、男はよけられたことにまたも逆上するようにあしをじたばたさせ何度も殴りかかっていた。周りの道路を破壊する音が響き渡る。壁の瓦礫を手に取り、魁に投げ始めていた。
魁も、瓦礫が飛んできたのは予想がのようで前回転をしてよけていた。
「逃げてください。」
女の子に逃げるように促す。しかし、女の子はどこかきょとんとした目で魁たちの方を見ていた。
「あれは、何ですの??」
「えっ?」
突然の回答に、困惑しながらも彼女を二人から引き離そうとした。
「あまり、私に触れないでいただきたいのですが。」
「いや、今はそんなこと言ってる暇は、、、」
彼女は、僕の手を軽くあしらい二人の方へと近づいていく。彼女の歩く姿は、誰がどう見てもきれいな形だった。殴りかかる男の足を片手でつかみ彼女は、男を投げ飛ばした。男は、近くの壁にぶちあたり壁を壊していた。
「あら、あそこまで飛ばすつもりはなかったのですが、大丈夫でしょうか??人は逃げているところに飛ばしましたが、瓦礫の中に誰かいたら大変ですわ!!」
彼女は、そういって男の方へ駆け寄り周りに人がいいないことを確認しだした。まさかの、出来事人僕らは固まっていた。
「なあ、瑠偉。俺はすごいものを見た気がするよ。」
「僕も」
彼女の後姿を眺めていると、こちらを振り返り強い口調で僕らに話しかけた。
「ちょっと、あなたたち早く警察の方に連絡してくださいませ!!!」
大きな声にハッとした僕たちは、すぐに警察の方に連絡をする。男は、あの衝撃で起き上がれない様子だった。
彼女は、男性の足を引き釣り安否の確認をしていた。男の胸付近に耳を当て心臓の音を聞き「死んでいないですね。、、良かった。」とつぶやいていた。
10分もしないうちに、警察の方が駆けつけてくれ無事に男を逮捕していった。受験帰りというのに、その後警察の方で事情聴取を受けることとなりまたもや姉さんから怒りを買った。
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