第2話 通達
――ある日。
『YOUR FANTASY MEMORY』。
それは2027年1月24日に販売され大ヒットVRMMOゲームと世界的に有名なゲームの一つで蓮見が遊んでいるゲーム。
その原点と呼ばれる『World phantom』。
『YOUR FANTASY MEMORY』制作会社の親会社が手掛ける世界的で大規模な大会が行われるほどの知名度と人気を誇るゲーム。
その二大巨頭に登り詰めたゲームのコラボが各プレイヤーたちに通達された。
参加制限は無制限。
ルールは簡単で。
開催期間は(ゲーム内時間で)三週間。
一週間目はスキルや武器の入手期間。
二週間目はモンスター討伐によるイベント限定ポイント稼ぎ。
三週間目は二週間目で得たポイントを使用したPVPによるポイント奪取。
の三部構成となっている。
ここで多くのプレイヤーは考えるのであった。
『YOUR FANTASY MEMORY』で最も頭が可笑しいプレイヤーが参戦するだろうと。
そして。
そのプレイヤーの首を狩るために『World phantom』が誇る世界ランキングを持つ者が確実に動くであろうと。
つまり――二つのゲームで最も有名なプレイヤー蓮見と朱音が最強の仲間を引き連れて再び争うのだろうと。
条件は同じ所からのスタート。
経験則によるところ以外は何もかもハンデがない。
あるとすれば――ゲーム内データからなんでも好きなスキルを一つだけ特別イベントステージ内に持ち込めることだけ。
その選択がお互いの切り札になるであろうこと。
常識で考えるなら――。
■■■
――運営責任者の橘は煙草の煙を吐いてはシステムにバグがないかの最終チェックを行っていた。
運営陣がゲームの運営をするのは当たり前のこと。
だがここの運営陣は変わった。
「さて、どうなることやら」
「…………」
隣にいる娘は黙ったままスマートフォンの画面を凝視していた。
「小百合の性能も初期化……これが吉とでるか凶とでるか……」
責任者が運営陣代表として単騎投入するのは『YOUR FANTASY MEMORY』のレイドボスを務めるNPC。今回責任者は考えた。そのNPCを愛娘に操作してもらうことで人間味を出そうと。小百合という名の知名度向上が今後役に立つと考えた彼だがこの時運営陣はただ一人の女を残して勘違いしていた。
――
を完全に忘れていることに。
だけどある男を理解している女は。
高校を卒業して疎遠になりかけていた男と会えるなら、ここは黙っておくべきだと。黒髪ショートヘアーが似合う可愛い系の女の子。お気に入りのピンク色のネイルが似合う細い指。その指先をある男に向ける。
「アンタとの再会楽しみにしてる【最恐の神災者】」
私情を優先させるのであった。
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