第19話 落とし物預かり所

「ねえ君。この本はどうしたんだい?」


突然冒険者に話しかけられてしまいました。いつも通り逃げ出そうとしましたが、彼が手にしている物が気になりました。僕が拾ってきた本です。逃げるのは、やめです。


「拾って、きたんです」


落とし物を拾っても、盗んだと言われることがよくありました。

だから、信じてくれないかと思ったんですが、


「そうか。これは私が落とした大切な本なんだ。持ち帰ってもいいかい?」


本を大切そうになでてそう言いました。本は大切です。なので、もちろん返します。


感謝されるのは気分がいいです。落とし物預かり所をやるのも、いいかもしれません。

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