第25話 3/18 強いお爺ちゃん? 神様?

  17日のを書いてる時に思い出した話。


 守護霊って見えたり見えんかったりでよーわからんのですけど、小学校の時にすげぇお爺ちゃんくっついてる子(以下Aちゃん)がいた。


 これがまたいかつい顔してて、なんだろう、子孫を守るご先祖様ってよりは家を守る神様みたいな感じだった。雰囲気も怖かったんで、見ないフリしてました。


 ある日、よく晴れた冬の昼休みだったかな? 皆で校庭で遊んでたんですよ。田舎だったんで、残った雪でドラえもんとか作ったりして。で、Aちゃんが遊び道具がしまってある倉庫に入っていったんすよ。


 その倉庫は体育館が入ってる建物の一階部分にあったんで、屋根のひさしがかなり高い位置にあったんです。たぶん四階くらいの高さはあったと思う。


 そんでAちゃんが倉庫から出てきた時、ちょうどその高い庇から氷の塊が落ちてきました。晴れてたから氷柱つららけて、残った歯ぐきみたいなド塊がひゅーっとAちゃん目がけて真っ直ぐに。


 ──ガツッッッ!!


 死んだと思いました。私はたまたま離れた位置から見てたんですけど、すげぇ音した。溶けかけとは言え子供の頭くらいある氷塊が直撃したんで、これはもう死んだと……。


 でも私や友達が走ってったら、Aちゃんはキョトンとして、辺りに散らばった氷の破片を不思議そうに眺めてた。私は「大丈夫!?」と言いながらAちゃんの頭を調べたんですけど、本当に傷一つ無かった。


 で、ついうっかり後ろの怖いお爺ちゃんを見上げたんですよ。「あなたが?」みたいな感じで見ちゃった。

 そしたらお爺ちゃんはチラッとこっち見て頷きました。「いかにも」って言うふうに。


 Aちゃんは無事で良かったけど、正直めっちゃ怖かったっすね。あ、そんな事できるんやって驚きのほうが強かった。しかもこっちが気づいてたのも知ってるし、私なんかいつでもどうとでも出来るみたいな圧があった。



 17日分で霊能力者は無理って書いた理由の一つがこれ。あんなん絶対勝たれへんもん。ほんでまたこれ書いてる時に気づいたんやけど、その事件のこと先生に言うたっけな……?

 どう考えても危ない造りになってたわけで、倉庫の庇を大っきくするとかなんかせな危ない。たぶん……言ってるはず。そっから転校するまで危険なことはなかったから、先生が対策したはず……たぶん。

 やっぱ謎の守護霊よりこういうのが怖いわ。 世の中から悲しい事故が無くなりますように。

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