X(旧twitter)放流詩(2023年)

須堂さくら

1月

『後悔』

こうしたら良かった

ああしなきゃ良かった

もっと上手くやれた

きっと上手くやりすぎた


積み上げた

沢山の後悔の上で

やっと届いたあなたに触れる

(2023/01/04)


『ハッカ味』

ハッカ味のあめが好き

すうっと抜けてく涼しさで

心を洗い流してくれるから


ハッカ味のあめが好き

口の中さわやかさが広がって

全部忘れさせてくれるから


ハッカ味のあめが好き

甘いだけじゃないこの味が

自分を思い出させてくれるから


ハッカ味のあめが好き

最後のひとかけら飲み干すときに

涙も一緒に飲み込めるから

(2023/01/11)


『致命傷』

「正しさ」は強くて

いつもわたしを責め立てる


「優しさ」は揺るぎなくて

いつもわたしを傷つける


あなたの言葉は

いつも正しくて優しい

わたしはいつも

苦しくて痛い


あなたのその綺麗な言葉で

どうかわたしを殺して

(2023/01/16)


『抜け殻』

あなたの抜け殻を抱きしめる

抱きしめて抱きしめて

絶対に離さないってそんな風に抱きしめて

ここにあなたはいないのに

これはあなたじゃないのに

ぎゅうぎゅうと抱きしめて

これはあなたなんかじゃないのに

手放すことができなくて

いつかあなたの抜け殻が

ぼろぼろに崩れてしまったその時に

あなたを手放すことができるのか

それすら今は分からない

(2023/01/18)


『パンを一枚』

さようなら の代わりに

パンを一枚置いてきた

明日の朝には食べられて

きれいになくなってしまうから


私とあなたの関係なんて

パン一枚くらいのものだった

何分もかからずにお腹に消えて

きれいになくなるものだった


ばいばい

(2023/01/23)


『メール』

君からのメールは

いつも迷惑メールフォルダに入ってる

取り出して広げて

ため息をついて捨てる


迷惑メールフォルダには

いつも君からのメールが入ってる

取り出すか迷って

目を閉じながら開く


君の言葉たちは

いつもキラキラしてるから

捨ててしまう癖に

もういらないんだとは言えない

(2023/01/27)


『面影を追う』

眠りに落ちる直前に見る夢の中で

あなたの面影を追いかける

布団の海の中で溺れながら

逃げていく面影を追いかける

決して捕まらないことに

どこか安心しながら

逃げるあなたを追いかける

(2023/01/30)

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