老父とPCと私

牧野三河

メモ帳・その1


やれ息子

隣家にも響く 怒鳴り声

またかと呆れ 顔を出す



お父上

我が何ぞと 問うたらば

我にパソコン 教えよと



して何を

恐れ恐れて 問うたらば

やれ呆けたか 我が息子



はて何ぞ

顔を上げれば 仁王顔

パソコンと言えば パソコンじゃ



なだめれば

我は分からぬ 保存先

席を変われば マイドキュメント



お父上

こちらにものが ありまする

指を指せば 呆れ顔



はてこれは

何が不満か 問うたらば

父が望むは デスクトップ



平身し

指定をせねば なりませぬ

言えばまたもや 仁王顔

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