第30話「休みの日での一幕」

「と、まあ、こんな感じだ」


映像が終わりオレ達は呆けながら番長を見た

番長の毛皮の服は良く見たらあのサーベルタイガーではないですか、やだー、本物だー。


「ッてぇ!?番長っ!?異世界行ってたのか!?」

「早い話が、そうだな。

あのサーベルタイガーを倒した後は、能力を使用した反動で服は弾けとんでパンツだけかろうじて無事と言う状態になっちまった。

戻れる様になるまではこのまま過ごさないといけねえのかと落ち込んだぜ」

「それでそのサーベルタイガーの毛皮は?」

「ゴリラが居ただろ?あいつの仲間で猿が毛皮を加工して作ってくれたんだ」


俺達は興味深く毛皮を見る。

異世界の動物とかすごいなあ、と俺は思いつつも一言言う。


「お疲れ様、番長」

「おう、ありがとよ」


その後は斎狐先生が興味を爆発させて

成分やバイオゲノムの配列を調べさせてとか

鼻息を荒くさせていた。

着替えが無いため学園に着いて着替えが出来たらと番長が近寄ってくる斎狐先生を押し退けている攻防がしばらく続いていたが、

なんとか落ち着いてもらってすぐに帰ろう!

と、輸送機の最高速度を出して飛行して

学園まで戻ったのだった。


そして、課外授業が終わり俺は3日ぶりの我が家へと帰還したのである。

そうだ!我が家の癒しであり世界国宝と言っても過言ではない最愛の妹!

アイドルマイシスタープリンセス美波里に

3日ぶりに会えるのだ!


「ただい───」

「おかえりなさい、おにぃ」


ふわりとした良い薫りに俺の背中に手を回して抱きしめて来たのは、我が家の女神だった。


「美波里、ただいま」

「うん、おかえりなさい」


しばらく抱きしめてくれた後、アイドルマイシスタープリンセス美波里はそのまま俺の顔を見上げてにこりと天使の微笑みを浮かべて

家の中に引っ張ったのだった。


「いやー、課外授業は普通にキャンプだったわー」


家族揃っての夕食時に楽しかったことを話す。

一家団欒の一時である、美波里はいつもより近い位置で俺の隣の椅子に座っている。

クラスの皆が仲良くしてくれていい奴ばかりな事とか、皆で肉焼いてはしゃいだ事とか、

俺の家族は笑顔で聞いてくれた。

今ではすっかりクラスの皆と仲良くなったと自負している。


「相変わらず超能力の制御とか出来ないけど肉体的には能力無しの人と同じなのに皆が俺に合わせてくれてさ」

「心配していたけど、大丈夫そうね」

「学園都市側の人もそこのところは配慮してくれているからね、でも、安心したよ」

「おにぃだから大丈夫って言ったじゃん」

「あとさ────」


笑顔で過ぎ去る時間をおえて、お風呂に入り、リビングにてゆるりとすごしていると

続いてお風呂に入ってきた美波里がドライヤーを持って俺の前に座り込む。


「おにぃ、はい」


そう言うとドライヤーを渡してくる美波里。

俺は笑顔でドライヤーを受け取り、コンセントを差して恭しく、髪に触れる。


「今日の美波里は甘えん坊さんだ」

「むー」


最初は髪から遠くに当てる、温度調節が出来ないタイプのドライヤーだから、温度が高すぎるのだ。

髪を空気に馴染ませるように、乱暴にガシガシとやるのではなく、ふわりとなびかせて、

温風を当てていく。

ある程度乾かしたら、次は冷風に変える。

温風だけ当てて乾かすと髪の水分が余剰に飛んでパサついてしまうのだ。

適度に水分を持たせて乾かすには、温風に当てたあと冷風に仕上げるのが良い。

しばらく仕上げをして、髪がさらに艶を帯びてしっとりサラサラになっている。


「はい、出来ましたよ、お嬢様」

「うん、ありがと、おにぃ」


お風呂上がりで薄着なアイドルマイシスタープリンセス美波里は、次に、と隣に座りその美脚を太ももに乗せて来る。


「爪、のびてきた」

「はいはい、仰せのままに」


傷付けないように、しかし、丁寧に、足の指先に触れて、パチン、パチン、と、少しずつ切り揃えていく。


「んっ、・・・あぅっ、」

「・・・・・パチン」

「ふっ、・・・くぁっ、」

「・・・・・パチン」

「んゃっ、・・・ぅんっ、」

「ふぅっ」

「ひぅんっ」

「よし!出来ましたよ、お嬢様、爪も磨いてツルツルーっと」

「ふぅ、ふぅ、あ、ありがと、おにぃ」


何やらお顔が赤いが、お風呂上がりだからだろう。

艶を帯びた瞳をして俺を見てくるがすぐに部屋に帰って行った。


「俺ももう寝ようかな?」


────────────────────


「はぁ、はぁ、おにぃ、また、テクが上がってた」


流石おにぃ、そう思いながらベットで眠る姿を眺めながら喉を鳴らす。


「スヤスヤ」

「寝付きが良いのはいつもの事、おにぃ、お邪魔します」


おにぃに抱きつきながら目を閉じて胸一杯におにぃの匂いを吸い込む。


「良い匂い♥」

「スヤスヤ」

「他のメスの匂いが残らないように上書きしないと」


こうして、『平和』な日常が過ぎるのだった





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