第21話「予知夢?②」
その日はいつも通りの勤務のはずだった
銀行の窓口でお客様の対応をする、そして、その処理やお金を預かったりお渡ししたりと
その他にも色々とあるが毎日忙しい。
『お待たせ致しました、29番でお待ちのお客様3番の受け付けへどうぞ』
そう言うと背の高いワイルドな感じのスーツ姿の男性が受け付けまでやって来た。
『ハーイ、取り敢えずお金の引き出しを頼むよ』
『かしこまりました、あの記入用紙の方は?』
『ああ、悪いね、オイラは強盗なんだよ』
それを聞いてすぐに警報器を作動させる
見た所は銃も何も持っておらず焦っている事も無い、もしや、愉快犯かと思っていると
警報器の反応を見て駆けつけた警備員達が
男を取り囲んだ。
『手を頭の後ろで組んでその場に伏せろ!』
『ははっこれはこれは、団体さまでご苦労様だ』
男は余裕な感じでサングラスを取ると受け付けにもたれる。
『なっ!?お前は!』
『release of bowel movements
(リリース オフ バオ モーメンツ
便意解放)」』
男がゆっくりと右腕を上げてパチィンッと指を弾くとその場に居た者達全員がお腹を押さえて丸くなり倒れる。
私自身もこれまで経験した事の無い腹痛に
襲われて椅子から転げ落ちた。
『いやー、オイラの能力は昔はね、お腹が少し痛いかな?とか感じるくらいの能力でね
そのしょっぱい能力のせいでいじめられてさあ』
カウンターの鍵を開けて中に入ってきた男が
周りに説明するように話す
『ある日、オイラは余りにも理不尽に怒り
能力が進化したのさあ、そいつらは君たちと同じく腹痛に苦しんでね?』
ゆっくりと歩いてこの銀行の支店長の元まで
来ると座り込んだ。
『後はどうなったか、分かるだろ?』
ぐっと支店長のお腹を押し込む
『ぐああぁっ!?あぐっや、やめてくれっ
やめてください!』
『んー?じゃあ、金庫を開けてくれない?』
『はっはいぃ!』
這いながら金庫に行き、ロックを解除する
『よしよし、良い子だ、この銀行のトイレの数は個室が4個で今、腹痛にあっているのは15人支店長君、君の腹痛を緩めてあげようトイレに行きたまえ』
するとダッシュで支店長はトイレに消えた。
立ち上がる事すら困難な程の腹痛に襲われながら男を見る。
『さてと、回収出来たし君たちも辛いだろう?』
出口まで行くとゆっくりと右腕をあげる
いや、まさか
『存分に漏らしたまえ』
パチィンッと男が指を鳴らした瞬間
今まで耐えてきたものが決壊しかける。
ふと、思い出した小さな頃の記憶
お腹を痛がる私を祖母がお腹を撫でながら言った
─ポンポン痛いの飛んでけー─
『あああぁっお婆ちゃーん!
ポンポンが痛いよぉーーーーっ!!』
(ノ゚Д゚)ノ ∥WC∥
●| ̄|_
「あああぁっ!!トイレーーーーー!!!?」
はい、おはようございます、今日のお天気は快晴で雲もなく良い天気です。
最悪の目覚めと共に思わず布団をめくり上げて確認して安堵した早朝。
家族が再び俺の部屋に乗り込んで来て怒られている所でございます。
皆に夢見が悪くて叫んでしまったことを謝り
学園へ行くと斎狐先生に夢の内容を話した。
「ああー、こいつかなあ」
パソコンを操作して画像を出して見せてくる
夢で見た男が映し出されていた。
「この人です!」
「うん、やっぱり三恐悪の一人だね」
「ですか」
「うん、こいつの名前は、
「ブラウン・スカロトヴィッジ」アメリカ生まれのテロリストだね
能力は腹痛をおこさせて漏らさせる事だね
脳に暗示を送り込んで強制させる凶悪な能力です」
「うわあ」
思ったよりも最悪な能力だった。
「ちなみに被害者の皆様から悪意ある二つ名をつけられているんだ」
「悪意ある二つ名?」
「そうだよ、その名も《ポンポンペイン》」
「ぶふぅっ!」
「訳するとお腹痛いだね!」
必死に笑うのを堪える俺に対して斎狐先生は澄ました顔で意味を言ってくる。
それにしてもピンポイントで夢に見るのは
もう本当にやめてほしい。
この前のに続いて今回のも叫び声と共に起きると言う家族に迷惑をかけてしまっている。
この能力はどうにかならないのだろうか?
「斎狐先生、この夢を見るのって制御出来たりするんですか?」
「うーん、この予知夢とか過去視ははっきり言って能力が必要だから見せている節があるからねえ、ある程度は制御出来たりするはずだけど現状はまだまだ無理かなあ」
「そうですか」
若干肩を落としながら俺はもうしばらく
この予知夢に付き合って行くしかなさそうだ
と諦める事となった。
「あ、そうだ」
「はい?」
「もうそろそろ、課外授業があるからねえ
着替えとかお泊まり用の荷物とか色々揃えておいてね?多分担当は私だから移動は私の
プライベートジェットを使うから」
「課外授業?それにプライベートジェットとかもってるんですか?」
「あると便利だからねえ」
そう言ってクスクス笑っている斎狐先生
行き先は教えてくれなかったが少しだけ楽しみでもあった。
着替えやお泊まりの荷物が必要だから泊まりで行くのだろう。
今からワクワクしてくるや
そう思いながらいると俺は気がついていなかった斎狐先生がうっすらと悪い顔をして笑っているのを・・・・・
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