本物のエルフと出会う確率。

第11話：レインストーム。

「レインストーム、せっかくだけど私は・・・私はもう故郷には帰らない・・・」

「人間の世界で愛する人が愛しい人ができたから・・・」

「え？アンブレラ何を言ってるんです・・」

「君は間違ってこの世界に来たんだから向こうに帰るのがあたりまえでしょ」

「レインストーム・・・改めて紹介するね」

「私の横にいる彼「明日野 天気（あしたの てんき）くん」」 」

「え？この人間が？・・・アンブレラの？」

「どうも・・・天気です」

「はあ、どうも・・・改めましてレインストームです」

「こんな人間の男のどこがよかったんだって思ってます？」

「あ、いや、そんなことは・・・」

「思ってますよね」

「まあ初対面ですし・・・僕は天気さんのこと何も知りませんし興味も

ありませんから・・・」

「もういいから〜ふたりとも・・・話がずれてるよ」

「いい？レインストーム、私、彼のこと愛してるの？」

「私のこと救ってくれたし、お世話になったってことだけじゃなくて、

私は天気の人柄が好きになったの・・・そのすべてを愛してるの 」

「天気も私のこと愛してるって言ってくれたし、だから私たち相思相愛なの」

「それが、私が故郷に帰らない理由だよ」

「自分にとって大切な人を置いて向こうには帰れないでしょ？」

「そんなことになってたんですか？」

「アンブレラのこの方への想いは故郷への思いより強いんですね」

「しょうがないですね・・・でも向こうではみんな心配してますよ？」

「分かってる・・・だからお父さんとお母さんには私は人間界で愛する人と

元気で幸せに暮らしてるからって帰ったら伝えて欲しいの」

「分かりました・・・アンブレラの意思は堅そうだし無理に連れ帰ることは

できそうにありませんね」

「あなたの気持ちを尊重しましょう」

「そう言うことならば私は用事がなくなりましたから、とっとと帰りますよ」

「いいですね？」

「ごめんね、レインストーム」

「天気さんって言いました？」

「アンブレラのことよろしくお願いしますね・・・アンブレラのことを幸せに

できるかどうかは、あなたの次第ですが・・・」

「あ、はい、命に代えて彼女を大切にします」

「愛し続けます・・・きっと守ります」

「・・・・ふ〜・・・頼りなさそうですねど・・・アンブレラがいいって

言うなら、これ上ないことです 」

「では失礼します・・・元気でね、アンブレラ」

「あ、そうだ、もう人間の世界と行き来できるなら、ひとつ頼まれてほしいの」

「なんでしょう？」

「エルフの里山に生息してる「アバナキバナ」の根っこを採取して持って来て

ほしの」

「人間の世界では手に入らない薬草よ」

「分かりました、お安い御用・・・持って来ましょう」

「用事はそれだけですか？」

「うん、それだけ・・・よろしくね」

「ではさよなら、レインストーム・・・天気さん」

レインストームは、ふたりに挨拶して向こうの世界に帰って行った。

とぅ〜び〜こんて乳。