プリンセス&シスター&ゾンビ
「ふぅ…………(スッキリ)」
不可抗力ではあったのだけれど、思いがけず気持ちよくなってスッキリしてしまった。システム戦闘モードから賢者モードへと移行します。
「ナニをスッキリしたような顔で余韻に浸ってるんですかマヒロッ!「ふぅ……」じゃないんですよ「ふぅ……」じゃ!」
「ホント最悪……。真弘、あなたね。自分の彼女の目の前で別の女とそういうことするとかホントどんな神経してるの?普通に考えてありえないわ。なに、これがネトラレ?脳が壊れる」
普通に激おこな瑠璃におすまし顔だが目がまったく笑っていない星那先輩。そんなこと言われましても不可抗力じゃんか。俺今椅子に固定されてて動けないじゃんか。抵抗出来ないですけども。まっ、そんなことはお2人には関係有るはずもなく。やはり悪いのは出した俺であるわけである。男はつらいお。
何が起こったのかはサッパリわからないんだけど、俺を取り込んだエイリアンは奇声と共にビックンビックンと大きく身体を震わせてから脱力。そのフィニッシュして力が抜けたタイミングでお2人がエイリアンを俺から引き離して拘束した。ベットシーツでぐるぐる巻きに巻いて、さらに上から紐でぐるぐる巻きに縛り上げエイリアン捕獲に成功。アヘ顔エイリアンは簀巻きされて床に転がされた。
ちなみに俺もアヘ顔である。暗くてナニをされてるか、分からなかったけど、なんかとっても気持ちよかった。いやホントなにがあったか分かんないけど。気持ちよかったんですもの。そりゃね。アヘるよね。
「そもそも、このエイリアンはなんなんですか!?ちゃんと説明してもらいますよマヒロ!」
「そう言われましても……ホント知らない娘なんですが」
「そんなわけないよね。知らない子が真弘好き好きいいながらその場で即合体するなんて考えられないけど?どこかでまた誑かして来たんでしょ?洗いざらい吐きなさい」
まったく信じて貰えない。日頃の行いが悪いって自覚はあるけどこんなのってあんまりじゃないでしょうか。いや日頃の行いが悪い自覚はあるけど。
俺の味方はこの場には居ないのか……。
「お2人共そこまでですよ!真弘様は天使のように心優しい素晴らしい方です!そんな真弘様は嘘なんか付きませんので、知らないと言っているのだから本当に知らないのです!そう責め立てるのは筋違いというものですよ!」
まさかの味方がここにおった。全面的に弁護してくれるシスター。嘘やろ。いや俺が言うのもあれだけど。そんな真っ直ぐに真弘くんのこと信じられるのに驚愕を隠しきれない。ムチムチシスター凄い!簡単に誑かせそう!もう好き!
「……は?心優しい天使のような方?なにそれ誰のことを言ってるのかさっぱり分からないけど?下半身に脳みそな発情猿代表のバカなら居るけど、そんな真人間はこの場にはいないわよ」
「そうです。訳の分からないことを言いますねシスターさん。ユキムラさん?でしたか?アナタもアナタで一体なんなんですか?マヒロとの関係は?マヒロのなんなんですか?そもそもなんで家の中にちゃっかり居るんですか。部外者は出て行ってもらいたいのですが?」
俺の擁護に回ったシスターに対して殺気立つ我らが姫様&ゾンビパイセン。シスターにものすっごい目力でガン飛ばしてます。怖いです。バチバチです。一触即発です。この隙に真弘くんは逃走を試みたいところです。まっ、まだ椅子に縛り付けられてるから無理なんですけどね。そろそろ解放してくれないかなー。無理かー。
「改めまして私はシスターのユキムラです!真弘様には過去に助けていただいたことがありまして、そのご恩を返すために私は真弘様に嫁ぎに来たのです!というわけで婚姻届の方に真弘様のサインを頂いてもよろしいでしょうか?」
へー。ただの怪しい宗教勧誘じゃなくて、実は終身雇用契約を結びに来たのねー。なるほどねー。でも俺、シスターさんのこと知らない……あっ、そういや過去になんかシスター見習いっぽいぼっち少女にちょっかい出したことあったっけ?もしかしてこのムチムチシスターはあん時の子かな?これはちょって合点がいったけど、それにしては行動がクレイジーすぎん?いきなり嫁ぎに来たて……。
「何を馬鹿なことを言ってるんですか!頭おかしいんじゃないですか!?」
驚きのド正論。普通に考えたらそうだよなー。こんな押しかけ女房モノのラブコメみたいなんを現実に持ち込んだら押しかけてきたヤツの常識を疑いますよね。
「シスターの頭がおかしいのはよく分かったわ……。何にしてもシスターにはお引き取り願いましょうか。残念ながら真弘には私という彼女が居るのでアナタと結婚は出来ないから」
「誰が、マヒロの彼女ですか、誰が。さっきから何回も言ってますがマヒロの彼女は私ですからね?私からしてみたらシスターも星那さんも大差ないですからね?邪魔なので2人ともこの家から出てってもらってよろしいですか?というか出ていってくだい」
「なんで私が出てくのよ。瑠璃が出ていけばいいでしょ。邪魔なのはあなたのほうだから」
「星那さんも大概、頭がおかしいですね。私が邪魔?真弘にとって無くてはならない存在である私が邪魔なわけがないでしょう。真弘は私が居ないと何も出来ないダメ男ですから。私が傍でお世話してあげないといけないんですー!」
「それでは真弘様のお世話は私が受け持ちます!朝から晩まで付きっきりでお世話しますのでご心配なさらず、これから全て私にお任せ下さい。というわけで結婚ですね」
「あなた達ねえ。そうやって真弘を甘やかすからこのバカはバカなのよ。こういうバカはもう少し厳しく躾けるべきなのよ。なんでもかんでもお世話だなんだしてあげるのは真弘の為にもならないでしょう?真弘は私がしっかり躾て管理するからあなた達は真弘から離れなさい」
もはや俺などそっちのけで言い争う御三方。もう俺が手をせる状況じゃないですね。怖いなー(遠い目)
「はぁ……。いくら言っても分からないと言うなら、もう拳で決着をつけるしかないですかね、コレは」
「なによ。やる気?私はいいわよ、別に。やるって言うならとことんやってやるけど?」
「これこそ神より与えられし試練……この障害を乗り越えた先に真の祝福された結婚があるということですね……。いいでしょう!私はお2人を倒して結婚します!」
なんか話が物騒な方向にいっとる……。こんなのもう見てられないよー!
ふと視線をずらすとテーブルで突っ伏して寝てる波子が見えた。めっちゃヨダレ垂らしてる。テーブルベタベタじゃん。きったねぇなぁ。と、思いつつもちょっと和んだ。波子は癒し、はっきり分かんだね(?)
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