第12話 終幕②
どこからともなく現れた青年は、仮面の男に持っている剣を深く突き刺した。さらにもう一度刺そうとした瞬間、仮面の男がいたあたりに大量のコウモリが現れ、仮面の男はまるで最初からそこにはいなかったように、忽然と姿を消してしまった。
呆気に取られている俺たちを尻目に、リアはこう叫んだ。
「!!その、他のコウモリより一回り小さくて、色が薄い個体!それだけ、心拍音が他と違う!」
そうリアが指差した個体を、瞬きする間に青年が叩き切った。すると他のコウモリも消え、切られた個体から黒い霧のようなものが吹き出し、次第に消えていった。
これで安心だと思い緊張の糸を緩めた直後、体の芯から沸騰するような熱が溢れ出し、俺はそのまま意識を手放した。
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目が覚めると、こちらを覗き込む幼い少年と少女がいた。その二人は俺が意識を取り戻したことに気づくと、走り出していった。
「ままー!おきた!さいごのおにさんおきた!」「まま!!このひとおかおまっさお!またしにそう!」
そう言って二人はサイドテールの作業着をきた女性を連れてきた。
「そう簡単に死ぬなんていうんじゃないよ!、、、ったく。あんた、もう大丈夫かい?おそらく魔素が一度に大量に流れてきて気を失ったんだろうさ。あの赤い髪の子もさっきまで寝込んでたよ。」
「俺はもう、大丈夫です。心配をおかけしてすみません。」
「あー、いいんだよガキが敬語なんて使わなくて。あたしの名前はスレンダ。ここで回復士なんかをやってる。もう大丈夫なんだったら、飯でも食べようじゃないか。今回の一件も、説明をしなきゃいけないしね。」
そう言って食堂に案内されると、ブレイブたちも揃っていた。そこで食事をしながら今回のことについてスレンダから聞き、明日の学園入学は通常通りに行われることを聞いた。どうやら直接的な被害があったのは俺たち西門方面と、東門方面だけらしい。
と言っても、東門は怪我人こそ出たものの死者0、魔族らしき女は魔王復活だけ告げ、そのまま忽然と消えていったようだ。
食事が終わった後、スレンダはこう言った。
「明日は朝早いし、今日は早く寝るといいさ。魔素を大量に取り込んで、おそらく体はまだ悲鳴をあげてる。休ませてやるといい。」
その後案内された部屋のベットに横になった俺は、ベットに横になるや否や、一瞬で気を失った。
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翌日スレンダに見送られ、学園へ向かった俺たち。
なぜか、なぜか俺だけ。
「迷ったな。これ完全に。」
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