2話 魔法と魔術。そしてスキル
OLの私が、仕事帰りにトラックに轢かれ、そのまま異世界転生を成し遂げてしまい、『破滅の魔術師』と呼ばれているアランさんと出会い、アランさんは『契約を交わした相手は、次の転生者の依り代にならなければ、世界が破滅してしまう』という謎の呪いにかかっているため、十代後半のこの姿の持ち主は、アランさんと契約を交わし、私がこの姿に転生してしまった。そして、私は『アランさんの呪いを解く』という契約内容で、契約を交わしたのだけれど……。
「私、何をすればいいのさ!」
今思ったけれど、何から手を出すべきなのだろう? そもそも、この世界の基準なんて言うものは知らないし! アランさんは隣でゲラゲラ腹抱えて笑ってるし! 腹立つな。
「アランさん。まず、この世界のこと教えてください。そこで笑ってないで! 吹っ飛ばしますよ?」
「ごめんごめん。それで、この世界のことについてだよね? いいよ、教えてあげるよ!」
アランさんはどこか楽しそうに、この世界について説明をし始めた。アランさん曰く、この世界は魔法や精霊や妖精たちが存在する世界らしい。よくライトノベルにある世界と言うべきか? じゃあ、この世界で〇んでしまったら……。
「〇んだら、消滅する感じですか?」
「勿論だとも!」
いや笑顔で頷くって、この人怖いわ! 背後からグサりとやって、転がっている〇体を見下して、ニヤッて笑ってそうな性格してそう……。えっ、本当にこの人と契約してよかったん?
「一度きりの人生。存分に味わって過ごし給え」
「うん。無理ですね現段階では。すべて終わらせてからにしますよ。それで、魔法があるなら、私でも簡単に魔法は使えるんですか? アランさんは『破滅の魔術師』って呼ばれているくらいですから、魔法使えるんですよね?」
「うーん。魔法も使えるけど、魔術の方が得意かな~」
魔術の方が得意? 魔法と魔術って同じなんじゃないの? 魔法と魔術の違いが分からず首を傾げた。
「どうしたんだい? 何か悩み事かい?」
「魔法と魔術の違いって何ですか? すみません……全くのド素人で」
「気にすることなんてないさ。分からないことは何でも聞くといいよ。それで、魔法と魔術の違いだよね? 『魔法』は魔力によって普通では考えられない不思議なことを行う術で、占いも魔法の分類さ。『魔術』は普通の方法では不可解なことを特別の訓練やトリックによって行う術。そうだな〜錬金術はわかるかい? 錬金術も『魔術』の分類さ。まぁ、簡単に説明すると、元から魔力を持っているものが『魔法』。人から教えてもらうのが『魔術』と言ったところかな? 君の場合……どちらもイケるね! 魔力も大量に出ているし、僕が『魔術』を教えるから、上手く行けば『魔術』と『魔法』のどちらもできる、魔術師をなれる! でも、君がどちらかだけを極めたいのであれば、どちらかだけを教えるよ」
魔術と魔法にそんな違いがあるなんて、全く知らなかった……。というか!
「魔力出てるってどういうことですか!?」
「あぁ、そうだったね。目を閉じながら深呼吸をしてみたまえ」
アランさんが言う通りに、目を閉じ、深呼吸をすると、水色と青色のオーラみたいなものがだんだん見え始めてきた。
「あの〜なんかオーラみたいなものが見えてきたんですけど?」
「それが、君の保有する魔力さ。依り代はそんなに魔力がなかったんだけど、依り代と相性が良く、魔力が倍以上に増えたのかもしれないね。それに、スキルとも相性がいいと来たものだ」
「スキル? どんなスキルですか?」
「
そんなスキルを持ってるんだ! それならいくらでも魔法打ち放題だったりするのかな?
「魔法打ち放題も可能ですか?」
「そういうこともできるよ! それに、治癒魔法さえ覚えれば、全体回復や状態異常の回復。状態異常無効化もできるようになるはずだよ!」
魔法って面白いな! ラノベが好きで読み漁っていたけど、実際魔法が使えるとなると、物語の主人公の気持ちがわかる気がする。
「これからいろいろ教えてあげるね! 楽しみにしたまえ!」
私ルナは、アランさんから魔法と魔術の違いと、自分に刻まれているスキルについて教わり、氷の結晶で出来た洞窟内で一泊することとなった。
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