キンタマタマタマ 〜異世界から転移してきた金髪ロリが、たまたま寄生したSSRおじさんに玉の輿を狙う的な物語〜
@nizinopapa
第1話 筋肉勇者から逃げるロリ姫
〜筋肉勇者から逃げるロリ姫〜
『絶対防御を誇る魔王を倒した勇者を、我が魔法国家マジカルンの次期国王とする!』
――全てはパパのこの言葉が原因だった。
長年人間を苦しめてきた悪い魔王。そんなの倒せる人間なんていないとタカを括ってたのか知らないけれど、そんなお決まりの台詞を魔水晶で全人類に伝えたせいだ。
だって次期国王ってことは私の結婚相手ってことだし、ゆくゆくは私はその人の赤ちゃんを産むってことだ。
(……ううん、それは別にいい。魔王を倒せるくらい強く聡明な勇者様なら、私はきっとその人を好きになると思う)
そう思っていた。
だけど――――。
「ゴフフフフ! めんこいなぁ……ものすんごくめんこいなぁリーニたん……。これからは毎晩おらと子作りしようなぁ……‼︎」
「いや……やめて、お願いだから来ないで……」
「なぁに言ってるだ。リーニたんはおらのお嫁さんだぁ。逃げないでおくれよぉ、ゴフフフフ!」
まさかこのむさ苦しい筋肉ダルマが、腕力だけで魔王を倒すなんて誰も想像してなかっただろう。
パパは引き攣った顔で姿を消してしまったし、この筋肉ダルマは動いてもないのに汗だくだ。それに全身の筋肉がピクピクしてるし、ズボンから浮き彫りになるアレは私の腕より大きい。
(あれ絶対お腹ボコォってなるやつだ……いや、壊されちゃう……まだ経験ないのにそんなの嫌!)
逃げ出していた。使い慣れた杖を握りしめ、必死に走っていた。
だけど相手は魔王を倒した勇者。全てのフィジカルステータスがとっくにカンストした魔王以上の化け物。あっという間に追いつかれ、私に並走しながら耳元で「走る姿もめんこいなぁ……」って呪いの囁きを放ってくる。
頭がどうにかなりそうだ。というか狂ってしまった方が楽かもしれない。
「もういやあああああ‼︎」
――そこからはよく覚えていない。全魔法力を絞り出し、ここから逃げなきゃと願ったのだけは覚えている。
「………………あれ……ここ、どこ?」
そうして目を開けた私の前には、見たこともない世界が広がっていた――――。
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